くわがき あゆの「レモンと殺人鬼」を読んだ。
レモンと殺人鬼。爽やか担当と物騒担当を、よくもまあ同じ皿に盛りつけたな……というタイトルである。三題噺のお題みたい。
さすが、このミス大賞だけあって、どんでん返し・読者への欺き・伏線の小さな釘が、ページのあちこちに打ち込まれている。読んでいる間ずっと、目の前の景色は「すべてうそっぽく」なているのに、もはやどこを疑っていいかわからない。
いかにも怪しい要素が並んでいるのに、こっちは勝手にマーク外においてた人物が「まさかここまではやらんだろ」というようなことを仕掛けたりと気持ちが追いつくのが忙しい。
(騙されたから言うんじゃないが、ちょっとアンフェアじゃない?と思ったところもある。)
主人公で物語の語り手の美桜の回りには怪しいか胡散臭いか、どちらかの二択しかいないのがまたつらい。
しかも出てくる男の大半がクズ野郎ばかりで、「今日も災難おつ……」としか言えない。
ネタバレを恐れずに言えば、クズじゃないやつは怪しいし。
まさかの犯人という点では「どんでん返し」は折り紙を付けて保証する。
ただ、「うわ~きれいに騙された!一本とられたわ!スッキリ!」
という感じではなくむしろ、口の中に残る味が甘酸っぱいだけじゃなく、苦みとか、皮の渋みとか、種のえぐみまで全部同居している。
タイトルのレモンらしさって、もしかしてここかもしれない。爽やかさの象徴を掲げながら、読後感は妙に複雑。
ミステリーとしての快感と、そりゃグレるよなという同情が同居。
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第21回 『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作!
「どんでん返しが大好きな私にとって最高の作品でした!
最初から最後まで、物語にどんどんと引き込まれていき、そしてある一文で鳥肌が立ちました。
狂気に満ちた人間たちに翻弄されて、読み終わったあとは放心状態になります。
沢山伏線がはってあるので、何度も読み返したくなる作品です!」――齋藤なぎさ(女優・声優)「二転三転四転五転の展開にねじ伏せられました」――瀧井朝世(ライター)
十年前、洋食屋を営んでいた父親が通り魔に殺されて以来、母親も失踪、それぞれ別の親戚に引き取られ、不遇をかこつ日々を送っていた小林姉妹。
しかし、妹の妃奈が遺体で発見されたことから、運命の輪は再び回りだす。被害者であるはずの妃奈に、生前保険金殺人を行なっていたのではないかという疑惑がかけられるなか、
妹の潔白を信じる姉の美桜は、その疑いを晴らすべく行動を開始する。
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