青山美智子 (著), 朱野帰子 (著), 斎藤千輪 (著), 竹岡葉月 (著), 織守きょうや (著), & 2 その他 の「泣きたい午後のご褒美」を読んだ。
喫茶店、というテーマで6人の作家が書いた短編小説。
表紙が可愛い。
オムニバスって、知らなかった作家の話を気軽に読むことができてちょっとお得だな、と毎回思う。
どれもなかなか良かったけど今回は、朱野帰子「痛い人生設計を作る、ルノアールで」と小川糸「浮島 イルフロッタント」がよかった。
朱野帰子「痛い人生設計を作る、ルノアールで」
主人公は40代の売れない女性作家。
売れない作家がいかに大変なのか(メンタルというより経済的に大変そう)がよく分かる。
想像とちがったのは作家についた編集者について。、発注者である編集者のほうが断然立場上で、その意向には逆らえないらしい。
何しろ彼、彼女次第で、発行部数も変わりおのずから収入も変わってくるのだ。
そんな彼女が長らく縁が切れていた高校時代友人と「ルノアール」で再開して「痛い人生設計」を作る話。
「痛い」というのは「端から見たら痛く見えるけど本当は自分がやりたい」事で「いいじゃん、私たち二人だけなんだから、どんだけ痛くても言っていこうよ!」と旧友はとてもパワフルで小気味よい。
読んでスッキリするお話。そうそう朱野帰子は「対岸の家事」を書いた人だね。
小川糸「浮島 イルフロッタント」
最初は驚いた関西弁のナレーションも、物語が終わる頃にはしっくりきて、ああ、この話はこの喋り方じゃないとあかんよなぁと思えるほどになる。
タイトルの「イル・フロッタント」とは卵と牛乳のお菓子らしいのだが気になって調べたらあれだった。
ウフ・ア・ラ・ネージュ
中学の調理実習で作った思い出の品。
すごい、フランス料理作っちゃった!と興奮したが、その後の人生で一度も作ったこともなければ食べたこともない何ならメニューに乗っているのも見たことがない、あのウフ・ア・ラ・ネージュ。
卵の白身をメレンゲにして、お湯で茹で、甘いソースをかけて食べる。
当時は見かけほど美味しくはなかったことだけは覚えているが、久しぶりつくってみようかな~
小川糸、名前はよく見るけど今回が初読みだった。めっちゃよいので今度読んでみようと思う。(まず、心の積読から)
どんなときでも「喫茶店」でのひと休みと「物語」が、
私たちを癒してくれる。
いま最注目の作家陣が、
お茶の時間に交錯する人間ドラマを紡ぐ、
心をやさしく潤す短編集。
●作品紹介
憧れのカフェでバイトをはじめた僕。
店員として足りないものがあるのでは、と悩む僕に先輩は言う。
「カフェっていうのはね、恋にあふれたファンタジーワ―ルドなんだよ」
――青山美智子「サロンエプロン」
仕事に疲弊する私のもとに届いた、
高校時代の親友からの15年ぶりのメッセージ。
思い出のルノアールで、ウィンナーコーヒーを飲みながら作るのは、
大谷翔平の人生設計ばりのプランニングシート?
――朱野帰子「痛い人生設計を作る、ルノアールで」
昭和初期に建てられた洋館で週末の夜だけ
イブニング・ティーが楽しめる「ミント邸」。
名物は極上のホットケーキとマダムが提供する紅茶占いで……。
――斎藤千輪「究極のホットケーキと紅茶占い」
神保町のレトロ喫茶に迷い込んだ女子高生の千紗。
ケチャップ色のナポリタンに、こだわりのコーヒーを供してくれるそこは、
まさに夢のワンダーランド!
――竹岡葉月「不純喫茶まあぶる」
気になる同級生の秘密を偶然知ってしまった高校生の映史は、
マスターがあらゆる「告白」をただ受け入れてくれる喫茶店
「キルシェ」のカウンターに座るが……。
――織守きょうや「彼と彼女の秘密と彼」
こちらとあちらの「中間生」にあるナカマ茶屋。
ヒミコさんたちが最後に食べたいものを提供しながら、
わたしはツレを待っているのです。
――小川糸「浮島 イルフロッタント」

