村山 由佳の「しっぽのカルテ」を読んだ。
この人の本を初めて読んだ。
タイトルから想像できる通り「動物のお医者さん」の心温まるストーリー
独特の存在感の院長ととある事情で男性不振のみゆき。
頼れる看護師の2人とたった4人だけのクリニック。
一話につき一人ずつペットとその飼い主が登場するが、このクリニックに通うことでペットの病気だけでなく人間が抱えている問題も何となく解決されてしまう。
例えば、夫に先立たれた女性が自分の病気も抱えながら老犬の介護をする話は、ペットの安楽死についての登場人物たちがそれぞれの立場から、それぞれの思いを話し、読者も大いに考えさせられる。
苦しませるのはかわいそう?命を人間の都合でコントロールするのはおかしい?
いろいろな考え方があるけれど、愛するペットのためにみな何かしらの選択をしているのだろうから、一概にどちらが正しいかなんて選べない。
他にも、DVでモラハラ夫の口癖をインコが覚えていることで、クリニックのみんなが彼女の危険信号を察知する話や、学校の飼育小屋のうさぎと飼育係の小学生の男の子の話など、動物だけではなく人間も過酷な状況が多い。
それに謎の院長先生のプロフィールと、土屋さんとみゆきちゃんのスローすぎる恋の行方に目が話せない。
ちなみに、院長先生が大ファンなのは「吉川晃司」っぽい名前のミュージシャン。
あの、逆三角形ボディと人間離れした身体能力と言っていたので、微妙に似せた別の名前だったけど多分そう。
感涙の動物病院ストーリー、誕生!
信州の美しい木立のなかに佇む「エルザ動物クリニック」。
獣医師としては凄腕だけれど、ぶっきらぼうで抜けている院長の北川梓、頼れるベテラン看護士の柳沢雅美と萩原絵里香、受付と事務を担う真田深雪。4人のスタッフが力を合わせ、日々運び込まれるペットや野生動物の治療を懸命に続けている。
瀕死の野良の子猫を見捨てられず、クリニックに飛び込んできた建築職人の青年・土屋。老犬ロビンの介護に悩む、自身も重い病を抱えた久栄。歪んだ結婚生活に苦しむ里沙を見守り続けてきたインコのタロウ……。
それぞれの人生と共にある、かけがえのない命をいかに救い、いかに看取るのか。生きとし生けるすべての命への愛しさがあふれる物語。

