iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

「蛇にピアス」私を殺してくれる男たち

金原ひとみの『蛇にピアス』を読んだ。

正直に言うと、何度か読むのをやめようと思った。

身体改造の描写が、想像を超えて生理的に無理だったのだ。ピアスに始まり、舌の先を二つに割るスプリットタン、背中に刻まれる傷の数々。

痛みによるグロテスクさではなく、「自ら苦痛を求めて身体を壊す」というその行為自体に、どうしようもないおぞましさを感じた。

 

それでも読み進めたのは、やっぱり金原ひとみだからだ。以前『YABUNONAKA』を読んだときに得た、あの強烈な読後感をまた味わえるかもしれないと思ってしまったのだ。この人の作品は、決してただの“気持ち悪い話”では終わらない。そう信じて読み続けた。

 

蛇にピアス』の主人公・ルイは、絶望しているというより、世界そのものに対して関心を失っているように見えた。十九歳、フリーター、ナンパ男の家に転がり込み、毎日ビールを飲む。生きる理由を探している様子もなく、ただ存在しているだけのような生活。

 

そんな彼女が、恋人アマの死によって急激に虚脱する。しかしその虚無は、強い愛情というより、「自分と世界をつなぐ唯一の接点が消えた」という喪失に近い。

 

ルイにとってアマは、恋人以上に、自分の存在を無条件で肯定してくれる共犯者だったのだろう。アマがいたことで、彼女は否定されずに生きていられた。

 

アマの殺害がシバの手によるものとわかったとき、ルイは「生きる」側に立つ。

だがそれは前向きな決意ではなく、死にたくても死ねなくなった末の、消去法的な選択に見えた。あるいは、仇討ちのような目的意識が芽生えたのかもしれない。

とはいえ、そこに強い意志は感じにくい。

 

印象的だったのは、「日の当たらない方で生きたい」という言葉。

達観や覚悟というより、人生経験が乏しいがゆえの諦めに聞こえた。現実で19歳の子がそう言ったら、私は「とりあえずあと10年生きてみな」と言うと思う。

 

蛇にピアス』は、共感というよりは深い衝撃。無視できない物語だった。

生きることに希望を持てない人間が、確かにこの世界には存在する。そのリアルを突きつけられた気がする。

 

私は、日の当たる方を目指して生きてきた、ごく普通の人間だ。ルイのようにはなれないし、なりたくもない。でも、それでも最後まで読み切った。

そして、うまく言い表せないこの刹那的な生き方への思いが多くの人に刺さったからこそ、芥川賞なんだろうなーと思う。

 

「理解できないけれど、なんかすげぇ」――それが『蛇にピアス』を読み終えた直後の、正直な感想である。

 

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蛇にピアス (集英社文庫)

 

蛇のように舌を二つに割るスプリットタンに魅せられたルイは舌ピアスを入れ身体改造にのめり込む。恋人アマとサディスティックな刺青師シバさんとの間で揺れる心はやがて…。第27回すばる文学賞、第130回芥川賞W受賞作。(解説/村上 龍)

次に読みたい本

 

 

ichi-z.com

 

おまけ。
AIで自分のキャラをうごかせるWEBアプリをつくってもらったよ。
お題は蛇にピアスを読んで衝撃を受けている私。

タイトルが「ポラス」になっているのは御愛嬌。

ちなみに、これがAIに生成させた私。いい感じに謎の言葉を喋ってるね!


今回は、このキャラをあらかじめ覚えさせたAIに(GoogleOpal)にポーズ指定をして出力させている。かなり再現性高い。おもしろ~

ラインスタンプとか余裕でつくれるやん。せんけど。