どうやら映画化されるという噂を聴いて村上春樹の「神の子どもたちはみな踊る」を読んだ。
これがその映画。カエルくんのビジュアルがなかなかかっこいい。
「神の子どもたちはみな踊る」は、震災を直接描くのではなく、神戸大震災後の人々の心のざわつきを描いた連作短編集。
妻に「あなたと暮らすのは空気の固まりとすごすようだ」と言われて家を出られるサラリーマン、家出したまま誰にも知られずに生きる少女、宗教に没頭する母とその息子、元夫を呪いながらもキャリアを築く女性医師。地下のミミズくんと戦うカエルくんと冴えない男の話は寓話のようでいて妙にリアルだし、奇妙な三角関係に苦悩する青年小説家もまた、誰かの心の片隅にいそうな人物だ。
登場人物たちは、みな震災の“当事者”ではない。しかし、揺れたのは地面だけではなく、心の深いところだったのだと気づかされる。喪失や不安、言葉にできない寂しさを、それぞれが自分のかたちで受け止めようとしている。だからこそ、「神の子どもたちはみな踊る」というタイトルが、じわじわと染みてくる。
30年近く経っても、阪神・淡路大震災はまだ“過去”になりきっていない。そして、その後に東日本大震災を経験した私たちにとって、「神の子どもたちはみな踊る」が描くざわつきや孤独感は、さらに深く響く。これは阪神の物語でありながら、東日本にも通じる何かがある。だから読んでいて胸がぎゅっとなるのだ。
もし、これが東日本大震災を題材にしていたら、また違う物語になっていたのかもしれない。
でも、村上春樹が描いたのは「震災そのもの」ではなく、「震災のあとに人がどう生きるか」だった。だからこそ、この作品は普遍的で、時代を越えて胸に残る。
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1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる……。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた――。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。
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