平井 麻依子 の「『脳にいいこと』すべて試して1冊にまとめてみた」を読んだ。
国際的に飛び回りながらバリバリ働いていた彼女が、イギリス出張中に突如激しい頭痛に襲われ、病院に駆け込んだところ脳腫瘍であることが判明する。
30代の壮年期には非常に稀な疾患だったが、幸いにも治療は成功し、ようやく退院に至る(と、まるで小説の筋書きのようだが、これが完全に実話)。
その後、職場復帰を考えていた彼女を襲ったのは、複数のエグい後遺症。
どうすれば脳を元の状態(なんならそれ以上に)健康にできるのか、自分を実験台に考え抜いた。
医師であり患者でもある彼女が、自分自身で試行錯誤を重ねてまとめた報告書が、この「『脳にいいこと』すべて試して~」だ。
具体的な内容に入る前に、彼女が語った脳疾患の術後副作用の話が非常に興味深かった。
医師にとっての「治療のゴール」は、実際の病変を取り除いた時点で終了とされることが多く、術後の後遺症は「診療報酬がつかない」ため、どうしてもケアの優先度が下がってしまう。
そのため研究も進まず、対処法も見つかっていないという現状がある。
なるほど、これは単に医師側の責任とは言い切れない問題だ。
そこで彼女は、医学的エビデンス(証拠)に基づいた「脳によいこと」を徹底的に探し、この本にまとめた。
大きなアクションは、以下の3カテゴリに分けられる。
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幸せホルモンを増やすアクション
肌触りの良い寝具やタオルを使って「オキシトシン」を増やす。
朝起きたらカーテンを開けて太陽を浴びて「セロトニン」を分泌。
目標設定をして「ドーパミン」を出す。 -
脳のアンチエイジングアクション
普段読まない分野の本を読んだり、新しい友人を作ったり、新しい予定を入れたりと、脳に刺激を与えることが大事。
1日5時間以上は立ったり歩いたりするのも効果的。 -
ストレスに強い脳を作るアクション
慢性的なストレスで「コルチゾール」が増えすぎると、海馬が萎縮してしまう。これに対抗するには、とにかく自然の中での運動とブルーライトカットが重要。
「ストレスは良くない」「自然の中での軽い運動がよい」といった断片的な情報は知っていたが、とにかくデスクワーク主体の私にとっては、実践のハードルが高いものも多く、知れてよかった。
なお、何も対策をしないと脳は30代から年1%ずつ萎縮していくそうだ。
やばい。私の脳、使用期限が切れた冷蔵庫のキムチみたいに隙間だらけになってるかもしれない。
特に「長時間座り続けること」が本当に良くないらしいので、気をつけよう……。
今、スマホやPCの前にいるあなたも、どうかお気をつけなはれ!
世界中の脳科学のエビデンスを自分の脳で実験。
医師が実践する脳のコンディションを整える方法。
「昔に比べ、仕事の処理能力が落ちた」
「なんとなく、毎日楽しくない」
「最近、イライラすることが増えた」
その悩みは、仕事のやり方に問題があるせいでも、
あなたが落ち込んでいるせいでも、
あなたを怒らせる人のせいでも、ありません。
ただ、「脳のコンディションが悪い」だけ。
この本では脳のコンディションを整えて
仕事のパフォーマンスや
日々の幸福度を上げる方法をお伝えします。
その方法はすべて医師である著者が
自分の脳で実験したものです。
きっかけは、自身の脳手術による後遺症に立ち向かうためでした。
医学知識、経験、ネットワークを総動員して
「脳のコンディションを整える」という100個ほどのエビデンスを集め
自分の脳を実験台にスタート。
◉科学的に裏付けられた「ストレス解消法」
◉脳を若返らせるのに効果的な「運動法」
◉やる気をもたらす“自分が主人公と思って過ごす”「マインド術」
◉幸せホルモンのオキシトシンを効果的に出す「人づき合いの方法」
など、本当に効果があった方法をこの1冊にまとめ上げました。
実践した結果、
◉判断がいままでよりも早くなった
◉週の半ばころには体が疲れてしまう……がなくなった
◉片頭痛が出なくなった
◉苦戦していた語学学習も新しい言葉がすんなりと入ってきた
という、“バージョンアップした自分”になって
見事、仕事復帰をかなえたのです。
特別付録として巻末に
脳のアンチエイジングや幸せホルモンを増やす方法
「2週間で脳のコンディションを改善する!」アクションシート付き。
次に読みたい本
脳について私が一番オススメなのは、次の2冊。
私がズボラなんじゃない、脳の使い方が悪いだけなの、ちゃんと対策立てれば大丈夫、っていうのが最近流行ってる(よね)