月村 了衛 の「ビタートラップ」を読んだ。
初読みの作者さんだ。
なんとなくだけどゴリゴリのハードボイルド、もしくはハードSFを描く人だと思っていたが、以外にも読みやすい。
主人公は、ちょっと軟派な青年・並木。
タイトルの「ビタートラップ」は「ハニートラップ」にかかっている。全然ハニーじゃないトラップに引っかかった並木のお話。
意外と身近にある(のか?)ハニートラップなどの諜報活動。
バツイチの並木は行きつけの中華料理店で働く中国人の女の子と付き合っている。
ところが、その彼女がある日突然「自分はハニートラップを国に仕掛けるように言われたの。でも並木さんのことが本当に好きになっちゃった」といい出して・・・
ところが並木ときたら、さすが一度奥さんに「幼稚」と三行半を突きつけらただけあって、あわあわするわ、現実からすぐ目をそらすわ、とっても普通の人。
ある日、同僚たちが「中国人と結婚なんて無理」と話しているのを耳にしてしまい、自分の中にも偏見があることに気づく。
自分も結婚なんて考えていなかった。ましては、今ではハニートラップだったと認めている彼女と結婚なんてするわけがない。
と言いつつ、一方では彼女の手料理や家事能力にメロメロで、いつまでも決断ができない。
そのうち日本の公安と中国のスパイ両方から脅迫されてしまう羽目に。
でも並木ときたらすぐに顔に出るし、入れ知恵されたらすぐに信じるし、ハラハラする。
でもご安心を。最後はしっかりハッピーエンド。
お互いに日本人と中国人ではなく、一人の人間同士として結婚する事になり、なんとも微笑ましい夫婦が出来上がる。
スパイものなのに、どこかユルくて、でもちゃんと社会的テーマも含んでいた。
「普通の人」が巻き込まれる有事。
スパイものなのに、どこかユルくて、でもちゃんと社会的テーマも含んでいて。
「普通の人」が巻き込まれる非日常って、やっぱり面白い。
「大好きなんです……」
女の告白、嘘か本当か!?
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恋人から突然、告白される。なぜぼくが?
警視庁公安部からは追尾され、
中国の国家安全部からは拉致される。
両国組織を欺くために、同棲を始めるが……。
何が真実で、誰を信じればいいのか。
「本気で好き」と語る彼女は信じられるのか――。
恋愛×スパイ小説の極北
次に読みたい本
スパイといえば、こちら。ドラマ面白かった~
最近Audibleで聞ける様になったので、次はこれだな。
因みにスパイは中肉中背目立たないことが基本なので阿部寛みたいな長身イケメンは向いてないらしい。