萩尾望都の「ウは宇宙船のウ」を読んだ。
先日のブックオフでの戦利品だ。
原作は、レイ・ブラッドベリが書いた「R is for Rocket」だそうで、いかしたタイトルだと思うのは私だけだろうか。
表題作「ウは宇宙船のウ」を含む8本収録されていた。
全般的に、なんか夢見がちで詩的で萩尾望都の絵柄とピッタリ合う作品ばかり。
裏を返せば、タイムマシンや宇宙戦争があったりといったハードな感じのSFではなく、むしろホラーに分類されるような話とかもある。
私が手に入れたこの版は昭和53年初版発行だから、かれこれ40数年前の本である。
さすがに古びているけど、中は結構きれい。
この本手放した人は今頃後悔してないかなー
は!もしかして遺品?・・・十分ありえるな。
ちなみに「ウは宇宙船のウ」は、ともに宇宙飛行士を夢見る二人の少年が、
その高い関門をクリアするために互いを励ましあって一生懸命勉学に励んでいたのだが、片方だけにそのお迎え「合格通知」が来るのである。
合格したことは秘密にしなければならないのだが、もう一方の彼は察して無言で彼の肩を叩いて応援する。
見つめ合う二人の少年が、「ポーの一族」的世界を作り上げているのである。
でも私は、表題作よりも「みずうみ」のようなしっかりオチのあるわかりやすい話のほうが好きだ。
実は「火星年代記」を読んで????となって、ちょっと苦手意識があったのだが、こんなにおもしろい話もあったんだ。
(私の場合の面白はわかりやすい、も含まれるのかもしれぬ)
それとも、萩尾望都にマンガと言う形にしてもらったからこそ、面白いのか。
私の「いいねボタン」は、レイ・ブラッドベリに押せばいいのか、萩尾望都に押せばいいのか。
少なくとも原文で読んでいる人たちより、選択肢がおおい私達は幸せなのかもしれない。
ぼくたちはロケットが大好きだった。土曜日の朝の宇宙空港、爆音とともに大空へ消えゆく光点。いつかあのロケットで星の海を渡っていくことを、ぼくたちはずっと夢みていたのだった…。少年たちの宇宙への憧れに満ちた表題作をはじめ、深海の闇にまどろむ恐竜を100万年の時を越えてよびさます「霧笛」、万聖説の宵は妖魔たちの饗宴「集会」など、レイ・ブラッドベリの傑作短編を萩尾望都が描く、珠玉のSFポエジー全8編。
次に読みたい本
先に、こっちを読んでしまった私。