「こうの史代 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり」を読んだ。
先日の「口訳古事記」介で紹介した「こうの史代」の資料集というか画業の記録。
デビュー前の可愛い絵柄の漫画(ちょっと手塚治虫っぽいところもあり)から、なかなか日の目をみない下積み時代の話など、貴重な資料が沢山詰まっている。
私、この人のファンだと自分では勝手に思っていたけど、思ったより追いかけられてなくて、読んだ事のない作品もたくさんあった。
いろんな事にチャレンジしている事がよく分かる。
全体を通してほのぼのムードなんだけど、例えばボールペンだけで書いてみたり、タッチが変わっていたりと、試行錯誤とというか遊びごころみたいなものが詰め込まれている。
こんなにいろんな手口?で漫画を描いているのに「こうの史代」らしさは不変で、なんだかほっこりするというかノスタルジックなところがすごいと思う。
すごく壮大なテーマの話も書いているけど、かといってお高く止まっていなくて、ユーモアも根底にあるし、絶妙のバランス。
おじさん描いてもかわいいと思うのがさすが。
漫画家生活30周年! デビューから現在まで こうの史代のすべて
『夕凪の街 桜の国』(手塚󠄀治虫文化賞新生賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞)『この世界の片隅に』(文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞)で知られる、こうの史代の全貌に迫る!
デビューから現在までの原稿・画稿をアンソロジー形式で収録。
「街角花だより」「長い道」「こっこさん」「かっぱのねね子」「ぼおるぺん古事記」ほか、たっぷり140ページ以上をカラーで紹介します。
ロングインタビューや初の年譜、詳細な作品解説、文献目録を掲載し読み応えたっぷり。
ひとりの漫画家として、こうの史代が歩いてきた30年の道のりを、絵や漫画、豊富なテキストでたどる一冊です。
*巻末おまけ
自主制作本「すずしろ帖」、幻の告知ペーパー「のののーと」(1通)を特別収録
次に読みたい本
般若心経を現在に生きる女性の視点から語り直すストーリ(らしい)レビューはすべて絶賛だし、泣けたという声も多いようだ。
これは読まねば~