アガサ・クリスティーの「動く指」を読んだ。
ケガをして転地療養が必要になった青年バートンとその妹。
二人が静かな田舎でゆっくりするつもりでやってきた村では、陰湿な誹謗中傷の手紙が村中に撒き散らされ、ちっとものどかでも静かでもなかった。
好奇心旺盛なバートンはその犯人を突き止めようと頑張るうちに、村の中でちょっと浮いてる女の子「ミーガン」と仲良くなる。
最初はミーガンを可愛らしい犬みたいとか、馬みたいだ、なんて失礼なことを思っていたバートンだが、全く自分の身なりに構わないミーガンをみてとてもイライラしてしまう。
そして、突然彼女を抱きかかえて列車に乗り込みロンドンへ連れてゆくと行きつけの服屋のマダムにミーガンに似合う服を誂えさせる。
なんとも貴族的お金の使い方。一歩間違うと犯罪ですけどね。
こんなことされたら、そりゃー誰でも惚れてまうわ。
しかも、バートンとときたら見違えるように美しくなったミーガンと食事をしてダンスを踊って家に返して、次の日にやっと「彼女が好きだ」ということに気づく。
遅いわ!妹に散々突っ込まれていたが、そりゃそうだ。
今回は、マープルは後半にしかでてこない。
バートンと妹の探偵ぶりが行き詰まった頃にあらわれて、「何でもよく観察して当たり前に素直に」考えて犯人を見つけしかも罠までかけたのであった。
マープルの見せ場が少ないと言うか後半にぎゅっと凝縮されていて、読者はずっと好青年バートンの恋の行方と探偵気分を楽しむことができる。
今回の犯人もマープルに言わせれば「当たり前」の人物だが、かなり狡猾で人でなしのため最後までやっぱりわからなかった。
比較的?死者の数も少なくほのぼのした気持ちになれるミステリーである。少なくとも前半は。
傷痍軍人のバートンが療養のために妹とその村に居を構えて間もなく、悪意と中傷に満ちた匿名の手紙が住民に無差別に届けられた。
陰口、噂話、疑心暗鬼が村全体を覆い、やがて名士の夫人が服毒自殺を遂げた。
不気味な匿名の手紙の背後に隠された事件の真相とは?
ミス・マープルが若い二人の探偵指南役を務める
次に読みたい本
今50%ポイント還元セールが行われていてそれを観ていたらどんどん時間が経ってしまった。
本書とは全く関係内けど読みたい本をいくつか上げておく。