いやーめっさ面白かった。脳内が今町田康節に侵されている。
マジですか?マジです。
古事記、マンガ訳とが現代語訳とか色々あるので何度か読んでるんだけど、最初のイザナミ、イザナギの話から、アマテララスとスサノオくらいまではよいとして、だんだんわかんなくなってくるんだよね。
あ?え?またスサノオでてきた?とか、あれ、この人とこの人って同時代のひとだった?オオクニヌシあれ、まだ生きてた?
みたいな混乱から、まあ真剣に読まんでもいいか。となってしまう。
有名なヤマトタケルの話とか因幡の白兎の話とかちゃんとストーリーがあってわかりやすく面白いゾーンと、誰々の子が誰々と結婚してその子が誰々と結婚して、みたいな系図がひたすら語られるやや盛り上がりかけるゾーンがある。
町田康の口訳はあんまりストーリがないところにも、くすぐりのような文章がはいっていて、飽きずに聞ける。
あくまで現代の私達が話すような口調なんだけど、そこに極めて巧妙に和歌が入り込んでいる。
ほんと上手いなとおもうのは、古事記にふんだんに使われる和歌を、あるときは完全に原文でのせて、つづけて
「要するに〇〇と言っているのである。」
なんて説明をつけたかと思うと、返す刀でさらりと訳した状態で地の文に混ぜ込んだりしているのだ。
最後半では香椎の宮(福岡市東区)と武内宿禰命(たけのうちのすくね)が登場する。
私の地元!長命とされた武内神社には不老水という名水も湧いている。
確かに「香椎」の由来は仲哀天皇の棺をたてかけた椎の木香りの高さに人々は感動したからと聞いていた。
ただ、どんだけ町田康が天才でも古事記の終わり方は唐突(に思える)
彼なら無理くり何らかのエンディングを用意できたのでは?と思わないでもない。
だが、それをやっちゃうともはや創作になってしまうからだめなのよね。
それとは知らずに読んでいたが、古事記のこの話がベースだったんだ、というものも多い。古代の人の物語のセンスにちょっと驚く。
アナーキーな神々と英雄たちが繰り広げる、〈世界の始まり〉の物語。
前代未聞のおもしろさ!!日本神話が画期的な口語訳で生まれ変わる!町田康の新たな代表作。
「汝(われ)、行って、玉取ってきたれや」「ほな、行ってきますわ」
イザナキとイザナミによる「国生み」と黄泉国行、日の神アマテラスの「天の岩屋」ひきこもりと追放された乱暴者スサノオのヤマタノオロチ退治、何度も殺されては甦ったオオクニヌシの国作り、父に疎まれた英雄ヤマトタケルの冒険と死、帝位をめぐる争い、女たちの決断、滅びゆく者たち――。
奔放なる愛と野望、裏切りと謀略にみちた日本最古のドラマが、破天荒な超絶文体で現代に降臨する!
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