iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

「眠れないほどおもしろいやばい文豪」私生活切り売りしてなんぼのヤクザ稼業!?

板野 博行の「眠れないほどおもしろいやばい文豪」を読んだ。

 

 

みんな、「文豪」って聞くとどんなイメージを思い浮かべるだろう?
国語の授業で習った、難しそうな顔したたち…
 
最近はアニメ「文豪ストレイドッグス」などで文豪たちがかっこよくイメチェンしているが、彼らの作品じゃなくて、「人間性」にがっつり焦点を当てたこの本を読めば、そのイメージがカッコいいというより、みな割とクズ人間であることがわかる。

 

 

 

 

文豪たちの「やばい」逸話が盛りだくさんで、

本書には、文豪たちの「ブッ飛んだ感性&行状「愛欲生活」「金の苦労」などがテーマ別に赤裸々に綴られている。
 
太宰治: 自身が人間失格なのは有名なのであんまり驚きはない。
ないが、自殺未遂4回とか、芥川賞を異常なほど欲しがって佐藤春夫に4メートルもの長さの手紙を送ったり、かたや自分が落選したときの選考委員の川端康成に「刺す。そうも思った。大悪党だと思った。」 なんて、文章を送っている。


立派にいかれている。ちなみのこの脅迫めいた文章は青空文庫で読むことが出来る。
なんか太宰治てすごい!なんてチャーミングで人たらしなんだ!?逆に魅力に気づいてしまった。
 
 
谷崎潤一郎:  筋金入りの脚フェチの変態(大前提)の彼だが、「女というものは神であるか玩具であるかのいずれかであって」と言ったそうである。ひどいな。さらには、友人の佐藤春夫小林秀雄中原中也との間で、妻を譲渡したりされたり、ひょっとして、女性を物と思っているのか?と疑うが、逆でものすごく女の尻に敷かれたいマゾなんだと思う。
 
森鴎外: エリート中のエリート。軍医のトップでありながら文学でも成功した彼は、若い頃ドイツ留学中に女性を妊娠させたのに責任取らずに帰国したことが日本中に知れ渡っている残念な男だ。というわけで面白みのあるクズというよりは真性クズだなとおもっていたのだが、
潔癖症すぎて、生物は一切食べられない。焼き芋は「消毒されてるから」 大好物とか、死ぬ直前まで公務に勤しんだが、いよいよ死の床では「馬鹿らしい!」 と叫んで死んだとか、意外とロックな一面もあるらしい。
 
 
岡本かの子: 画家・岡本太郎のお母さん。夫とカレシと同居したり、その人との間に子供をもうけたりと、なかなか破天荒である。流石芸術を爆発さす人の母!
 
他にも、田山花袋が愛しい女性の布団の残り香を嗅いだり石川啄木が娼婦との情事日記を妻にバレないようにローマ字で書いたり永井荷風が57歳で性に目覚めて娼婦と遊びまくったりと、驚きのエピソードが次から次へと出てきた。
 

 

 

『眠れないほどおもしろいやばい文豪』は、教科書じゃ絶対に触れられない、文豪たちの衝撃の私生活や人間性にスポットを当てた一冊だった。だがその「やばさ」は、大きなエネルギーとなって作品に反映されているのかもしれない。


次に読む本何にしようかなって人は、文豪たちはマジでおすすめ。

だって、青空文庫で簡単に読むことができるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

眠れないほどおもしろいやばい文豪―――こうして生まれたあの名作 (王様文庫)

いくら天才作家だからって、ここまでやっていいものか――? 
誰もが知る文豪の「やばすぎる素顔」に迫る本。

酒も女も、挫折も借金も……全部、「小説のネタ」だった!?
「あの名作」は、こうして生まれた!


太宰治   ハチャメチャな生き方で女にモテまくり! 

三島由紀夫 滅びの美学を表明! 「憂国」の天才作家

芥川龍之介 「狂気」に呑まれる前に死んでしまいたい 

谷崎潤一郎 「女は『神』か『玩具』のいずれかである」

森鴎外   「知の巨人」は「痴の巨人」でもあった?

夏目漱石  「東大教授の椅子」を蹴った理由は年俸額

菊池寛   「文春砲」をつくった男の“男気と”“男色”

直木三十五 金の使い道の最善は「女へやる事」

檀一雄   「純愛一筋」から「火宅の人」に大豹変! 


■目次

・はじめに 酒も女も、挫折も借金も
      全部「小説のネタ」だった!?

・1章 「天才」って、ホントつらいんですよ
    「ブッ飛んだ感性&行状」にも、ほどがある!

・2章 「愛欲生活」すなわち「文章修業」!?
    先生方、それはちょっとハッチャケすぎではー?

・3章 「金の苦労」が、あの名作を生んだ!
    「追い詰められる」ほどに冴えわたる才能!?

・4章 「ピュアすぎる」のも考えもの
    どうしても“突き詰めず”にはいられない!

・5章 「変人たちのボス」はやっぱり変人
    「君臨する」気持ちよさって、癖になっちゃう!

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