朝井リョウの「風と共にゆとりぬ」を読んだ。
最年少直木賞作家のゆとり三部作のうち第2作目。
相変わらず爆笑だった。
特に、最後の「肛門記」は涙なしでは、もとい爆笑なしでは読めない。
本人も「放浪記」みたいなテンションで読んでほしいと書いていたが、よくもまあここまで書いたと褒めたいくらいの壮絶「痔瘻」の闘病記だ。
痔という言葉かもつ「ぷっ、くすくす感」とか「痔瘻」という漢字の塗りつぶされそうな画数の多さとか、とにかく一言一言のワードセンスすばらしく、思わず吹き出す。
人がいないところで読んで良かったー。
何も考えたくないとき、というよりむしろ会社で嫌なことがあった時なんかにはこういう本がみんなの心を癒やしてくれるんじゃないかな。
だって、なんの役にも立たないんだもん。(いい意味で)
いい意味で、とつければどんな悪口を言ってもいいと思っているきらいはあるが、イヤホントにいい意味で毒にも薬にもならないので、自分の悩みとリンクせず、ただひたすら笑っていい。
(たとい、今の悩みが痔瘻の苦しみだったとしても、苦しみをエンタメに華麗に昇華しているので、それはそれで心踊る文章になるだろう)
こういう笑っていいよ!っていうただひたすらの肯定感みたいなので、あんまりないかもしれない。
面白エッセイとはいえ、少しはいいこと風のこといいたいもんだが、朝井リョウはその「いい事風のことを書く自分」を恥じているのだと思う。
あえて、何も考えないようにするマインドフルネス的な効果が・・・ないか。
とにかく、繰り広げられる自虐の嵐に思わず画像検索をして「朝井リョウ氏の顔面」を確認してしまう。
ぷっくすくす。
もう何言ってるかわからないが、作中「さくらももこ」の話題がでてきて、ああそうか、この青年はさくらももこのエッセイに似ているのだっと思った。
ゆとり世代の直木賞作家の爆笑エッセイ
読んで得るもの特にナシ!
500枚超の楽しいことだけ詰まった大ボリュームエッセイ集。
対決!レンタル彼氏/ポンコツ!会社員日記/冒険!朝井家、ハワイへ/諦観!衣服と私
失態!初ホームステイ/本気!税理士の結婚式で余興/阿鼻叫喚!痔瘻手術、その全貌等
・ダヴィンチBOOK OF THE YEAR 2017 2位
・ブクログ大賞2018 ノミネート
・読書メーター OF THE YEAR 2018 3位
多くの読者に愛された、戦後最年少直木賞作家のユーモアあふれるエッセイ集が待望の文庫化。
日経新聞「プロムナード」連載エッセイや、壮絶な痔瘻手術の体験をつづった「肛門記」を収録。また、その顛末が読める「肛門記~Eternal~」書き下ろし!
次に読みたい本
この本読んだっけ?みたいなのが多いさくらももこ。
小学生の頃から伴走していたので、読んだはず、でも読んでないかも。
かわいいイラスト。