坂井希久子の「さらさら鰹茶漬け 居酒屋ぜんや」を読んだ。
10冊目にしてようやくゴールインした只次郎と妙さん。
なかなか進まぬ二人の仲にやきもき(というかイライラ)した人も多かろうが、ようやくお妙さんも自分が只次郎が好きだと認め(認めてからも長かったが)夫婦となった。目立たく第一クルーが終わったカンジダ。
毎回、おたえさんのおいしそうな料理に腹の虫を鳴らしつつ、只次郎の男っぷりの成長にもニヤニヤしつつ読んだので、待ちに待ったゴールインではあるが終わってしまうとちょっとさみしい。
しかし、大きな敵が誰か分かったけど太刀打ち出来ずという感じで、悪いものが滅びたわけではないのだ。スッキリとはいかぬ。
だが、人生ってそういうものかもしれない。
旗本の次男坊の只次郎は「商い指南」と言う看板を上げて商売をはじめた。
自分も武士を捨てて町人になるという。
これは、武士の時代が終わり、お金を持っている商人が強くなる時代が来ることを匂わしている。試合に負けて勝負に勝つ、みたいな?
「商い指南」は今で言うと経営コンサルのような仕事。
まさに時代を先取りする能力がある只次郎。どんどん男っぷりが上がっていって逆におたえさんはどんどん恋愛ポンコツが露見していく逆転現象も面白かった。
居酒屋ぜんやシリーズで引くとまだまだたくさん書かれているが、どうやらこの先は次の世代の子どもたちの話になるという。
まだまだ美味しい料理は描かれるのだろうか?二人にこどもはできるのかしら?
町人になった只次郎はどんな活躍をするのかも楽しみ。
夏の暑い盛り、往来を歩いていた只次郎は、いきなり倒れた少女を介抱した。少女の名は、お花。痩せた体と歳に似あわぬ拙い言葉に、只次郎は虐待を疑うが……。少女を救うため、奔走する只次郎。一方、結ばれたはずのお妙との仲は、どこかぎこちなくて!? やがて、ついにお妙の両親と良人を殺した黒幕と対峙することに……! 只次郎とお妙は過去と今の苦難を乗り越え、幸せを掴むことはできるのか。温かい林檎煮、納豆、アカエイの刺身に、心温まる鰹茶漬け。彩り豊かな料理が心を救う、傑作人情時代小説、最終巻!
次に読みたい本
先日アマゾンパトロールをしていた見つけた。
さわぐちけいすけの縦読みットマンガ「SATANUMA」
落書きのようなかわいい悪魔が出てくる物語。
うまくリンクが持ってこれなったが、待てば無料というシステムで
この待てばと言うのが一気読みを妨げるのでつらいのだが、この人の漫画は結構好き。
おや、この本読んだのはもう6年も前なのか。