小酒井 不木(こさかいぶぼく)の「犬神」を読んだ。
タイトルがかっこいいけど、そして話の内容も結構好みなのだが最後のオチが、ワタシ的にはガクッとなった。
外国語に翻訳しづらい内容ではある。
一応、ミステリーなので落ちは言わないが、作者は冒頭でポーの黒猫に言及している。
ポーの真似と思われたら、それはかえって嬉しいくらい(だいぶん意訳だけど)
なんかかわいい。
これを機に小酒井不木について簡単に紹介。
名古屋に生まれた「医学博士であり作家」でもある。医学博士としても優秀で国費留学など命ぜられたものの肺を病み、職を辞す事となる。
以降、執筆に専念をした。日本のSFの先駆者といわれ乱歩を世に出した人としても知られている。
27歳にして大学教授になるなど、どうやら「スーパーエリート」のだったみたい。
逆に、肺の病気にならなければ研究の世界に注力して日本のSF先駆者は別の人になっていたかもしれない。
彼の医学の知識と留学のおかげか海外の探偵小説の知識が、日本のミステリーとSFの発展させた。かなり若く亡くなられているので残念。天才は神からも愛されるのね。
死刑囚の手記。それは犬神の祟りなのか。狂犬に噛まれた私とその血を吸った女の変化。恐ろしさのあまり女を殺して切断してしまう。完全犯罪かと思えたが思わぬ証拠が……
次に読みたい本
犬神といえば、ベビ神(と書いてあった)
九州の方は蛇神って。へー。
雑談。最近またAI画像生成について立て続けに動画を見て感化されている。
今日は、canvaのマジック生成機能でブログバナーを作ってみる。
楽しいが、意図したものとはだいぶん違うものが出来上がった。
やりたかったことは、80年代のホラー小説の表紙扉絵風のイラスト(まあ端的に言うと、横溝正史の表紙を書いた杉本一文風)で生成したかったのだが。
こういうプロンプトだったのだが。
ちなみにこのプロンプト自体をChatGPTに頼んだんだけど、私そんな事まで言ってないでしょ、っていうくらい仕上げて来てて笑った。特に太字のあたり。こいつ興に乗ってる。
で、生成されたものはどちらかというと伊藤潤二風なのであった。
杉本一文風のシュールで不気味な日本のイラスト。
恐れおののくスーツ姿の若い男性が、画面手前に描かれている。彼の表情は恐怖にゆがみ、目は見開かれ、口は声にならない叫びをあげているかのように開いている。髪は乱れ、額には冷や汗がにじんでいる。
背後には、狼のような姿をした巨大な犬が不気味な存在感を放ちながら立っている。鋭い牙をむき出しにし、黄色く光る眼で男を、いや、見る者すら睨みつけている。毛並みは黒く艶やかで、陰影の描写が緻密に施されている。
全体の配色は1980年代の日本ホラー小説を彷彿とさせるような、退廃的かつ幻想的な色使い。深い黒と血のような赤、寒色系のグラデーションが交錯し、画面に不安と緊張をもたらしている。
画面の質感は非常に写実的で、まるで油彩画のような重厚なタッチ。人物の皺や汗の粒、犬の毛並みの一本一本まで丁寧に描き込まれており、杉本一文特有の“恐怖と美”の共存が見事に表現されている。
幻想と伝統、恐怖と哀愁が混在する独特の世界観が、見る者の心に深く刺さる作品である。