澤村 御影 の「准教授・高槻彰良の推察11 夏の終わりに呼ぶ声 」を読んだ。
このシリーズも早くも11巻だ。
前回、物語が大きく進んでとうとう殺人事件に巻き込まれってしまったいつものメンバーたち。
お腹いっぱいな気分でなんだか満足していたが、そういえば高槻先生の神隠しの謎はあまり解明されていなかったのだった。
今回は、「ドッペルゲンガー」をモチーフにした、怪異というよりままならぬ悩みを抱えた女生徒の話がよかったな。
この小説は、確かな怪異が描かれつつも、何でも超常現象で片付けるのではなくて「怪異に見せかけた人間ドラマ」の場合はきちんとその謎を解き明かしてくれるところがいい。
ドッペルゲンガーの話では、昔の子供がよく「月夜に」やっていた影踏みの遊びも紹介されている。
昔は、月夜は今よりずっと明るくて外でこどもが遊んでいたんですって。
そういうの私達すっかり忘れちゃったけど、真っ暗を知らない人間は生物として弱いと思うわ。
・・・と、ぎゃんぎゃんに明るい部屋でちょっと偉そうに呟いてみた。
作中で岡本綺堂の影を踏まれた女の話が紹介されていて、主人公の尚弥が「あとで絶対読もう」と言っていたので、急に私も岡本綺堂が読みたくなった。
そういえば、若い頃青空文庫でよく読んだわーー
当時、まだ青空文庫のラインナップが少なくて、でも捕物帳系が充実していたのでよく読んだ。
あらためて青空文庫をはじめてくれたボランティアの人達に敬意を表したい。
ベリベリサンクス。
ゼミ合宿開催! 隣り合わせの青春と異界を描く民俗学ミステリ第11弾!
高槻ゼミの一大イベント、それはゼミ合宿。
9月の初め、尚哉は仲間たちと西湖に赴く。
先輩方の中間発表、BBQに花火と様々なイベントをこなし、高槻の発案で、尚哉たちは青木ヶ原樹海へ行くことに。
そこには意外なあの人がいて……!?
ほか、派手めな女子大生からの「ドッペルゲンガーが現れる」という相談や、
高槻の因縁の場所を訪れる決意をした尚哉など盛りだくさん。
隣り合わせの青春と異界を描く民俗学ミステリ第11弾!
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