名取佐和子の「図書室のはこぶね」を読んだ。
久しぶりに初々しい高校生の青春物語を手にして、ちょっと肌に艶が増したような・・・ハイ、気のせいですね。
バレーボール一筋の高校時代を過ごした主人公の女の子は、最後の大会の前に足にケガをし、部活も体育祭もでられなくなってしまう。
やることがないので、体育祭の準備に余念のない友達の代わりに図書委員の代打を引き受けて、そこでビーバー顔の男子と出会う。
3年間図書室に近づいたこともなかった女の子と本が大好きな男の子の淡い恋物語。
そこに「10年前になくなった本「飛ぶ教室」が発見される」というミステリーも加わって、ぐいぐいとよませてくれた。
上品なお菓子をいただくように、ほのかな幸せが心に染み渡る一冊。
舞台が図書室なだけに引用されている本も多くて、そこもまた良い。
例えば、体育祭のダンスで女装をするのを嫌がってクラスでいじめられかけている男の子におすすめされた短歌集「玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ」
作中の歌の引用がぐっと来る。(すっかり忘れてしまって引用すらできないことをごようしゃくだされ)
1冊の本と、10年前の謎――この世界が愛おしくなる、瑞々しい青春小説!
10年前に貸し出されたままだったケストナーの『飛ぶ教室』は、なぜいま野亜高校の図書室に戻ってきたのか。
体育祭を控え校内が沸き立つなか、1冊の本に秘められたドラマが動き出す。
未来はまだ見えなくても歩みを進める高校生たちと、
それぞれの人生を歩んできた卒業生たち――
海の見わたせる「はこぶね」のような図書室がつなぐ〈本と人〉の物語。
~~県立野亜高校図書室名物~~
➀オリジナル検索機「本ソムリエ」
②司書の伊吹さん
③海が見わたせる窓
次に読みたい本
これこそ引き寄せなのか?読まずに死ねない本なのか?
児童文学をよんで感動するみずみずしさが自分に残っているか心配だけど。
つい最近読んだ、飛ぶ教室からみの本はこちら。
こちらは作中で紹介された、男子高校生二人に(なりきった二人の歌人による)短歌集。
娘に借りて読んだけど、ピンとこなくて申し訳ない。
水分がないと電流も流れないのでビビッと来ないのかもしれない。
なんとなく、もう3回くらい読みたいと思っている。