もうすぐ鈴木亮平主演の映画が公開されると聞き、朱川 湊人の「花まんま」を読んだ。
ノスタルジーとホラーが交錯する短編集で、その舞台は生き生きと描かれた大阪。
表題作「花まんま」以外にも良いお話がたくさん出会った。
私は三人の女にそれぞれ愛されていた女たらしのおっちゃんの話「摩訶不思議」が好きだった。
何故か持てるおっちゃんの愛嬌みたいなものが感じられて、怪談なのになぜかくすりと笑えてしまう。
この本には、ノスタルジーとホラー、さらに子供の視点で描かれる差別が根底に流れている。
舞台が大阪なだけに、ズケズケとものを言う人達のおおらかな明るさがあり、それと同時に苛烈にいじめられている人たちも存在して、悲しい気持ちにもなる。
暗い話ばかりではないけれど、テーマとしては結構重ための話だ。
映画ではこの本の重いテーマと雰囲気をどのように処理しているのか気になる。
先ほど、公式ホームページを観たら「花」とタイトルに入っているだけあって花盛りの今の季節にピッタリの映像美だった。
怖くて温かくて切ない、あのころの記憶
【第133回直木賞受賞作 映画「花まんま」2025年春 全国公開】
まだ幼い妹がある日突然、母のお腹にいた時のことを話し始める。それ以降、保育園をぬけだし、電車でどこかへ行こうとしたり、習ったことの無い漢字を書いたり。そして、自分は誰かの生まれ変わりだと言い出した…(表題作「花まんま」)。
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