iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

「桜の森の満開の下」桜満開ですね~

坂口安吾原作近藤ようこ漫画の「桜の森の満開の下」を読んだ。

 

ちょうどこの時期に良い話だ。

 

近藤ようこは、原作ありの漫画をたくさん書いている。

細い線で描かれる女達はどれも怖いほどの美しさで、白と黒だけで「妖艶」をつくりだしてしまうところが好きだ。

 

そう、彼女は女性(と若くて美しい男性)をとても魅力的に描くのだ。

 

この「桜の森の~」も美しくも恐ろし女が山賊だった荒くれ男を利用しつくす物語だ。

 

この男ももしかしたらただの荒くれ者ではないのかもしれない。

なぜなら満開の桜の森が怖いというのだから。

 

散る桜吹雪を「怖い」と思うその想像力に圧倒される。

 

桜の森の満開の下 (岩波現代文庫)

鈴鹿の山に暮らす一人の山賊.怖いものなしの山賊が唯一怖れていたのは満開の桜の森であった.ある日,山賊は旅をする美しい女に出会い,その夫を殺して自分の妻にする.わがままな女の言いなりになる山賊と,涯のない欲望を持つ女はやがて――.

 

 

次に読みたい本

 

混同しやすいけど、屍が埋まっているほうは梶井基次郎の詩だ。

 

桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!で始まるこの詩は青空文庫でも読めるのでどうぞ。

梶井基次郎 桜の樹の下には

 

桜の樹の下には