iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

お勝手のあん

柴田よしきの「お勝手のあん」を読んだ。

 

あれ?この人ミステリー作家のイメージだったけど、と思って調べてみたら過去作品がめちゃくちゃあった。筆が早いタイプの作家さんなのか?

 

確か昔読んだ気がするーとずっと作品リストを追っていたた「猫探偵シリーズ」とかっあって「かわいー」ってなった。

 

ネコ出しときゃキャーっていうちょろい人間です。

 

さて、お勝手のあんは親に売られて危うく女郎にされそうだったところをひょんなところから宿屋のご主人に拾われ、お勝手女中見習いとして(料理をする女中)働いている少女の物語。

 

現代で言うとまだ中学2年生くらいで、まだ恋も知らないような年頃だが、幸いにも周りの大人に愛され、料理の才能も認められている。

悩みといえば、女は料理人になれないということ。

 

なにか大きな事件があるわけでもないが、開国寸前の品川でこれから世の中が変わっていくことをひしひしと感じながら、少女たちが成長していく。

 

お勝手のあん、ときたらこの女の子があんちゃんと思うでしょ?

でも本当の名前は「おやす」ちゃん。お安ちゃんの安からそんなあだ名になったのだ。

その名を呼ぶのは、お小夜ちゃんという美しいお嬢様。

二人の友情と未来への希望、淡い恋ごころなど微笑ましい。

 

男も女ももっと自由に生き方を決められる時代が来るといい、賢い少女たちは口には出さずとも根気強く自分の人生を切り開いていく。

 

なんか美味しい和菓子が出てきそうなタイトルだが、和菓子に限らずたくさんの料理が出てくる。よもぎ餅や山菜の天ぷら、トコブシの炊き込みご飯、たけのこなどなど。

 

そして、昨日に引き続きシリーズものの第一巻であった。

すごい途中な感じで終わると思ったら、十数冊続巻があった。ぐぬぬ

どうして時代小説ってそんなにシリーズ化しちゃうの!?

 

 

お勝手のあん

品川宿の老舗宿屋「紅屋」を営む吉次郎は、二年ぶりの長旅から、見知らぬ女童を連れ帰ってきた。
吉次郎は、女童・おやすの類まれな嗅覚の才に気づき、「紅屋」のお勝手女中見習いとして引き取ることに──。
拾って貰った幸運をかみしめ、ゆるされるなら一生ここにいたいと、懸命に働くおやす。
研究熱心な料理人・政一と、厳しくとも優しい女中頭・おしげのもと、
年下の奉公人・勘平、「百足屋」のお嬢さま・お小夜とともに日々を過ごすなかで、
人間として、女性として、料理人として成長していく。
柴田よしき、初の時代小説シリーズ第一弾!

次に読みたい本

和菓子のアン (光文社文庫)

 

猫は毒殺に関与しない~猫探偵 正太郎の冒険5~ 猫探偵正太郎 (光文社文庫)