アガサ・クリスティーの「マギンティ夫人は死んだ」を読んだ。
今回の犯人もやっぱりあっと驚くいがいな人物で、クリスティってほんとすごいなと思った。
エルキュール・ポアロシリーズの「ひねりにひねった」感のある長編推理小説だった。
ネタバレにならない程度のあらすじはこんな感じ。
マギンティ夫人が何者かによって殺された。
犯人は間借りをしていた青年とされ、捕まって「刑の執行目前」だったがこの犯人がどうも気に食わないスペンサー警部が、旧友ポアロに相談する。
「厚かましいお願いなんだけど、真犯人を探してほしい」
ポアロは、大いに意気投合して犯行現場のひなびた村にやってくるのだが、この村にある唯一の宿がとんでもないところで、ポアロのナイフのようなボヤキが連発する。
辟易しつつも、捜査を続けるポアロ。
ところが、マギンティ夫人が殺された動機らしきものが見つかった途端、第二の殺人が起こってしまう。
動機が何か?から始まり、怪しいのは誰か?と推理は進んでいく。
読者もポアロもなぜか「この中の誰か」とばかり考えててしまうのだが、最後の最後でポアロによって本当の犯人が名指しされる。
探していたカバンの中にはなかったカギが全然別のカバンからでてきた気分。
色々おもしろかったのだが、推理とはあまり関係ないが誤認逮捕されていた青年が、超マザコンで、女の子の扱い方を知らなすぎるのにポアロが切れまくるところとか、雑な宿の女将さんにオムレツの作り方を手を取っておしえちゃうところとか、ポアロの魅力が味わえる。
最後には、この青年の恋の行方までちゃっかり道筋をつけてやるのだ。
ポアロって控えめだけどとってもユーモラスなんだよね~
英国流のウィットとでも言いましょうか。
今回のポアロのとってもチャーミングな一面を垣間見れほっこり気分。
ポアロの旧友スペンス警視は、マギンティ夫人を撲殺した容疑で間借人の男を逮捕した。服についた夫人の血というたしかな証拠で死刑も確定した。だが納得がいっていない警視はポアロに再調査を依頼。未発見の凶器と手掛かりを求め、現場に急行するポアロ。しかし死刑執行は刻々と迫っていた。
次に読みたい本
ちょっと焦げたけど、別にイイ大丈夫ですわ!と宿の女将にプディングを出されるポアロ。
焦げてるけど、とっておきのジャム(ちょっとカビてるけど、ペニシリンだから、あなたの身体にイイはずよ)を塗れば大丈夫。
とのこと。なかなかの強者あらわるだ。このカビはペニシリンだから身体によい、って今度使ってみよう。