万城目学の「六月のぶりぶりぎっちょう」を読んだ。
タイトルが意味不明すぎて???て思っておりましたが、
「ぶりぶりぎっちょう」というのは彼の作り言葉ではなく、(だっていかにもやりそうじゃん?)実際にそういう安土桃山時代にあった遊びらしい。
ぶりぶりはフリフリの意味で、グランドゴルフみたいなゲームとのこと。
槌というか杖みたいなものを持ち、ボールをはじくらしいが、詳細は忘れ去られて、よくわかっていない。
さて、この「六月のぶりぶりぎっちょう」は織田信長の本能寺の変をモチーフにした、タイムリープ?もの。
不思議で奇っ怪な話だけど、キャラの強さで強引に突っ走った感じ。ドタバタ喜劇感が良かった。
とあるホテルで毎年行われている、織田信長の亡霊による本能寺の変のやり直し。
織田信長はなぜ自分が殺されたのかの謎を解決したくて、虚しくも毎年当時のメンバーの身代わりを探してきては、事件のシュミレーションを行っていた。
今年は、織田信長の家臣たちは美術品マフィアの集団となりボスが密室で殺されたというシチュエーション。織田信長は、誰かこの謎を解いてくれ。という気持ちで毎年自分が殺される劇を再演しているのだ。
そんなこと辞めたらいいのにやめられない。それをわかってまだ従っている森蘭丸がやっぱりイケメンで良きかな~
繰り広げられる夢のような一夜はまるで映画「本能寺ホテル」みたいね、とおもったら、実際この映画、万城目学が当初脚本を務めていたとか。
実際には別の人が脚本になっていたので、なんかあったのかもしれませんな。
さて、この話「◯月の~」シリーズの一つということにレビューを読んでようやく気づく。
昨年読んだ直木賞受賞作「八月の御所グラウンド」の第2弾らしい。
このシリーズは「会えるはずのない人に会う話」なんだな。
奇想天外の万城目ワールド感はちょっとだけ控えめで、ちょっと大人な感じも漂うシリーズ。
同時収録の「三月の局騒ぎ」も良かった。
大学の時に寮の同室の先輩から「もっと書いたらいい」と勧められ、最終的にはエッセイストになった女性の話なんだけど、実はその先輩は現代を生きる清少納言じゃないか、という話。
清少納言が「猫の耳の中」というブログを書いているというところが、とてもツボ。
やってそう、ブログ!
直木賞受賞シリーズ第2弾。京都の奇跡、ふたたび
新直木賞作家、日本史最大のミステリ――「本能寺の変」に挑む。
奇妙、珍妙、でも感動! マキメ・ワールド最高潮!!その死体は信長――密室殺人事件に巻き込まれた私は、
うっかり本能寺の変の謎に挑んでしまう……。洛中女子寮ライフ――14回生以上との噂のある、
女子寮の“お局様”の正体は!?京都の摩訶不思議を詰め込んだ「静」と「動」の2篇。
【目次】
第1話「三月の局騒ぎ」
第2話「六月のぶりぶりぎっちょう」
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