iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「地面師たち」ドラマとくらべてみて

新庄 耕の「地面師たち」を読んだ。

去年、去年話題になったネットフリックスのドラマの原作本だ。

忘れてならないのはこの100億からの詐欺事件が実際にあった事件を元ネタにしていることだ。

ドラマみたいな事件が本当にどらまになったのだから(しかも名だたる俳優たちがエンジているのだから)そりゃあおもしろいだろう(といいつつドラマはまだ見ていない)

 

観ていないが、ハリソン山中を豊川悦司がやっているのは知っている。おかけで脳内イメージは悪い顔したトヨエツが跋扈していた。

 

もちろんドラマなので、いろいろなエピソードが追加されているようで実際の事件では積水ハウス(的な偽名だったけど忘れた)に、出世に目がくらんで秘書と浮気している学歴コンプレックスの開発部長はいないはずだし、なりすまし役の老人たちも殺されたりしていない。(ハズ!)

 

それにドラマで有名になった

最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます。

というセリフはでてこない。

そもそも、小説はドラマほど暴力シーンは少ない(ドラマ観てないので他人の発言のみが根拠)

 

観てないからね!

 

去年、森功のノンフィクション「地面師」という本を読んだのだが、そのときの驚きが強すぎて、今回の「地面師たち」はやっぱりドラマだな、と。

面白いのだけど「衝撃」は少ない。
というかよくも悪くもすべてがキレイにドラマとしてまとまっている。

 

この小説も、森功の地面師を参考文献に上げていたのでおそらくあの衝撃から生まれた作品なんだろうな。

 

とりとめない感想になってしまったが、ドラマが面白かった人はぜひ、ノンフィクションの方も読んでみてほしい、ドラマの元ネタがたくさん出てくる。

 

それにしても、ハリソン山中は海をわたってしぶとく生き残っているようで、本来の事件の犯人「カミンスカス操」は捕まったが、ハリスン山中はしぶとく生き残り、この小説も続編が書かれているのであった。

【実話・元ネタ】70代女性が63億円詐欺…Netflixドラマ「地面師たち」で話題の地面師の手口 モデルとなった積水ハウス詐欺事件の事例を解説|GRO-BELラボ[株式会社グローベルス]

 

 

地面師たち (集英社文庫)

 

辻本拓海は大物地面師・ハリソン山中と出会い、彼のもとで不動産詐欺を行っていた。メンバーは元司法書士の後藤、土地の情報を集める図面師の竹下、土地所有者の「なりすまし役」を手配する麗子の五人。彼らはハリソンの提案で泉岳寺駅至近にある市場価格100億円という広大な土地に狙いをつける。一方、定年が迫った刑事の辰は、かつて逮捕したが不起訴に終わったハリソン山中を独自に追っていた――。次々と明らかになる地面師たちの素顔、未だかつてない綱渡りの取引、難航する辰の捜査。それぞれの思惑が交錯した末に待ちうけていた結末とは? 実在の事件をモチーフに描いた新時代のクライムノベル。

 

こちらはノンフィクションの「地面師」ドラマと違って不条理なものは不条理なママでモヤモヤっとしたまま終わる話も多い。

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次に読みたい本

狭小邸宅 (集英社文庫)

それこそ積水ハウスの営業マンの知り合いにおすすめされた本。

もし私が今後家を建てるとしたら、超小さい家がいい。でもそういう話ではないと思われる。

SMALL HOMES The Right Size 小さくはじめる住まいの哲学