池田蕉園の「ああしんど」を読んだ。
とっても短い作品だがちょっとおもしろかったのでご紹介。
明治に書かれたこの話は、まるでちょっと不思議な「実話怪談」のようなもの。
なんとも言えない読後感なのだ。
あらすじはこう
私の祖父がまだ若い頃、曾祖母の飼っていたねこの話。
冬、
炬燵 の上にまあるくなって、寐 ていたんで御座 いますって。
そして、伸 をしまして、にゅっと高くなって、
「ああしんど」と言ったんだそうで御座 いますよ。
それ以来祖父は
「口を利くから、怖くって怖くって、仕方がなかった。」って言っておりましたよ。
と、これで終わりなのである。
あおぞら文庫のリンクを張っておいたので原文を読んでみてほしい。
この、なんともポンッと置いていかれる感じがもやっとしちゃって「忘れられない」作品になるのかな。
怖い話といえば怖い話なんだけど、18歳の猫がついポロッと喋っちゃうのはかなりあり得る気がしてくるから不思議だ。怖いような、かわいいような。
不思議さに助長を掛けているのは、作者池田蕉園が文筆家ではなくて「画家」だというところ。
これ以外他の作品はないのだ。
少なくとも青空文庫にはないしネットでも見つからない。代わりに見つかるのは、こんな情報。
全然知らなかったけど、どれもこれも素敵。この頃は海外の情報も入ってきていたから浮世絵ってどんな扱いだったんだろ?とても人気作家だったらしい。
つまり、「ああしんど」は本当にあった怖い話の投稿じゃないかしら。
今で言うXみたいな。
とても不思議な作品ゆえか謎に人気が高く、ネットにもたくさんの朗読動画が挙げられていた。
それにしても寝てるだけの猫の何がしんどいのか。
そこも、怖かわいいところなんである。
次に読みたい本
あると思ったわー、猫怪談。
犬怪談はない気がする。がんばれ、犬!
雑談
やれ、年末ですね。クリスマスとか忘年会とか内蔵と財布を痛めつけるシーズンですがそれらを順調にこなしつつ、今更ネットフリックスのドラマ「VIVAN」を見始めてしまい、とっても忙しいのである。
大掃除だって年賀状だって、VIVANがこんなに面白くなければやれたのに、いや残念だわ。
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仕事納めまであと一息。
年末にまた人が辞める報告があり、いやーあれな、砂山に棒をたてて両側から砂を削っていくゲーム中なのかな?うちの会社。
このままだとなまはげのように「働けるやついねーがー」と探し回らないといけなくなりそうだわ
ああしんど