とても気になっていたphaの「パーティーが終わって、中年が始まる」を読んだ。
作者名はファ、と読むらしい。本人も言っていたがもはや人間かどうかも不明な感じ。
話題作なので読みたかったのだが読後の感想は、身につまされる、というほどでもないし、かといって、自己啓発みたいな感じで、こんなふうに生きたらいいんじゃない、みたいな提案でもなく、ただひたすら、中年になったことに対する「みずみずしい驚き」みたいな。いや、矛盾しているけど。
エッセイの括りに入れればいいのだと思うのだが、とても説明が難しい話。
なにせ、私自身が「いま40代に入った」人の老いのトンネルの入口にたったその新鮮気持ちを忘れかけていて、老いたなと感じている彼を「若いな」と思ってしまう。
簡単に言うとpha氏は文筆家?エッセイストとして活動しつつ、就職をせずにシェアハウスなどを運営しながら30代を過ごしてきて、40歳にして初めて一人暮ししたらしい。鍵を持ち運ぶ生活ができるか心配するほど、孤独を嫌っていた彼もすぐに今までよくもこんな騒がしい所で生活してたよなと思うようになるまる
彼は自分のこの変化を取りつつ驚きつつもこれが普通の人たちがやってきた生活なんだろうなとまとめている。
言い方悪いけどちょっと面倒くさい人だ。
この人と家族だったら・・・と想定するのは私の良くない癖なんだが、この人と家族だったら大変だろうなあと思う。
最終章二匹の猫どの暮らしが描かれている。
もう15歳で高齢になった兄弟猫だ。
同じ親から生まれた2匹は性格が全然違うらしい。自分とは違う世界だなと思っていたけど猫愛する部分を読むと急に親近感が湧いてくる。
残念なのはあとがきでその二匹の猫が相次いで亡くなったという報告があったことだ。
彼はもう猫と暮らすことはないだろう言っていたけれど、是非もう一度猫を飼ってあげてほしい。
パーティーは終わっても私たちの生活は終わらないんだから。
定職に就かず、家族を持たず、
不完全なまま逃げ切りたい――
元「日本一有名なニート」がまさかの中年クライシス⁉
赤裸々に綴る衰退のスケッチ
「全てのものが移り変わっていってほしいと思っていた二十代や三十代の頃、怖いものは何もなかった。
何も大切なものはなくて、とにかく変化だけがほしかった。
この現状をぐちゃぐちゃにかき回してくれる何かをいつも求めていた。
喪失感さえ、娯楽のひとつとしか思っていなかった。」――本文より
若さの魔法がとけて、一回きりの人生の本番と向き合う日々を綴る。
次に読みたい本
することリストだらけの年末年始だ。大掃除も年賀状もおせちもいらん、と言いつつでも窓くらいは拭いたほうがいいかとか、親戚には送ったほうがいいかとか考えて結局焦る。
まあ、例年どうせ時間切れでほとんど何も終わらないので、いっそやらないことリストを作ったほうがマシかも知れない。
でも、やらないことリスト作らなきゃ、になりそう。