チョン・ミジンの「みんな知ってる みんな知らない」を読んだ。
韓流ドラマを見たことはあるが、韓国の小説はほとんど読んだことがなかった。
特別韓国の文化や歴史を知らなければ面白がれないなんてこともなく、楽しく読めた。
サイコ・サスペンスとも言える内容で、二人の少女の体験が20年後に徐々に明るみに出てくる物語。
誘拐監禁の被害者の9歳の少女は、誘拐された間の記憶をすっぽりなくしていた。
犯人は悪趣味にも彼女を痛めつける映像を淡々とマスコミに送りつけていたので、彼女がどんなひどい目に合っているか、国中の人々が関心を持って眺めていた。
開放後、事件の記憶をなくしている少女はみんなが知っていることを私だけが知らないまま大注目にさらされ、疲れ果てアメリカに移住してしまう。
20年後、ようやく誰からも関心を払われなくなってからようやく彼女は記憶を取り戻し始める。
昔住んでいた街でとうとう犯人に遭遇するが・・・
一方、今度は犯人側からの視点の物語が始まる。
胸糞な犯人の追憶を聞いていたら
今度はまたべつの少女の独白がはじまる。父に置き去りにされた少女の物語だ。
あまりに話が飛ぶので、別の小説に移ったのかと思ったがさにあらず、二人少女には接点があったことが解き明かされる。
面白かった。そんなに都合よくふたりともすっぽり記憶が抜けるものだろうか、とも想うが事件の被害者の二人の少女はやはり、人生の半分を事件のせいで台無しに感じている。最後はふたりとも前を向いて再スタートが切れたようで良き終わり方かなと思った。
よくを言えば二人が交わるストーリなども少し入っていたら嬉しいかも。
あ、韓国の文化知らなくても違和感ないといったが一点だけ。キーパーソンとなる「ずるくて弱い父親」のビジネスパートナーが軍隊で出会った友人とのことで、ここらへんは韓国ならではですな。
お隣の国韓国はいま、色々と政情が不安定のようである。
不勉強ゆえ、何が起こっているのかテレビを見ながらぼんやりと非日常感を感じてしまう。おでこ光ってんなーとも思う。
1995年6月4日、奇しくも同じ日に起こった“事件”により、9歳の二人の少女は49日間、一人きりでの軟禁を余儀なくされた。奇跡的に生還を果たして20年後、封印してきた記憶を二人が徐々に取り戻すとき、再び事態が動き出す! 韓国人女性作家の新星による、スリルに満ちたサスペンスの傑作。
次に読みたい本
こちらも有名な韓国小説。扁桃体が人より小さくて感情が表せない少年のものがたり。扁桃体のことをアーモンドとも呼ぶからですって。
今、「進化しすぎた脳」を読んでいてこちらもめちゃ面白いのだが、脳って不思議。
戦争が起こると脳科学が進歩するらしい。怖いけど本当の話。
なぜか?それは、頭の怪我が原因で脳の損傷によりどのような現象が起こるか観察が捗るからである。
いくら物事には2面性があるとは言えなかなか良かったねとは言いづらい話だ