iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「ナポレオン狂」これぞブラック

阿刀田高の「ナポレオン狂」を読んだ。

久しぶりだ。ついついこの方は・・・と調べてしまう。御歳89歳とのと事。

 

高校大学と一番乱読していた頃の作者がどんどん星になる昨今、やっぱりご存命だと嬉しいものだ。

 

さて、このナポレオン狂は1979年の直木賞受賞作とのこと。

和田誠のイラストの表紙はしっかり覚えているので昔読んだ・・・のかな?

 

表紙のイラストも変わっているようだ。この表紙、先日見たドラマ「民王」の影響か俳優遠藤憲一にしか見えぬ。

 

すっかり忘れていたあらすじはこうだ。

 

狂、がつくほどナポレオンが好きなの人物。とにかくナポレオンについて書かれている書物は週刊誌からすべてあつめ、本人が被っていた帽子まで大枚はたいて落札するほど。

 

主人公の私は、彼のフランス語の家庭教師をして懇意にしていたが、ある時大学教授をしているそんな私に

「ナポレオンの専門家はあなたですか?」

と九州から一人のおじさんが訪ねてくる。

 

初対面のそのおじさんは自分はナポレオンの生まれ変わりに相違ない、と力説するのだが、面食らった私はそういうことならとナポレオン狂のところへ行くように勧めるのである。

 

いやーこれ、オチを言いたいんですが言っちゃってよろしいですかね?

 

その後、九州のおじさんと連絡取れないなと思っていたらナポレオン狂の本棚に「動物の剥製の作り方」という一冊が増えていた。という話。

もうね、どんなものでも集めたくなっちゃってるわけですよ。

 

ここまで来ると、今で言う推しという言葉ではやはりカバーできない。蒐集という言葉がふさわしい。漢字に鬼が入っているし。

 

流石、ショートショートの審査員を星新一から引き継いだ男なだけある。

短い話なのに、読んでニヤリとしてしまうブラックユーモアが、もはや50年近く前なのに全然古びてなくてすごいわ。

いま子どもたちの間で流行っている「意味がわかると怖い話=意味こわ」に通じる面白さ。

 

次に読みたい本

意味がわかると怖い4コマ

意味がわかると怖い4コマ

 

 

意味こわで検索するとこの本もでてきた。

先日ワクワクしながら読んだのだがワタシ的星1つなので紹介しなかった。

 

意味こわは意味がわからないと怖く無いのである。

 

多分期待値上げすぎちゃったんだと思う。あと、怪文書すぎて手書き文字も多く、ちゃんと読むのが面倒くさいというか・・・ギミックに凝りすぎていてさっと読めないところが辛かった。

それもそのはず、この本は簡単に言うとお化け屋敷の書籍化というかなりチャレンジングな本なのだ

いやー私も東京のそのお化け屋敷(展覧会と書いてあったが)を体験したかった。

展示会の内容にストーリーの補足をしたら、もっと読みやすくておもしろいものになったのではないかな。例えば展覧会の不条理な怖さを大変した人への回答のストーリーみたいな感じでさ。

 

その怪文書を読みましたか

その怪文書を読みましたか

 

 

あ、でタイトルにこれぞブラックと入れてみましたがもちろんブラックフライデーと掛けてみましたよ。

 

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ブラックで赤字ですがな!

 

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