iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「もしも料理店」美味しくはなさそうだが夢はある

田丸雅智の「もしも料理店」を読んだ。

 

あらゆる食材をもしも食べることができたら、と言うお話し。

 

もしも料理店では、お客様の話を聞いてその人にピッタリの食材を使った料理を提供する店。

 

いろんな食材といっても、燕の巣とか丸々草とこそう言う貴重な食材とかではない。

もはやタンパク質ですらない。

 

第一話の食材は自動車。

自動車をまるで猪のように捌いて料理をする。

頭の中ではてなマークが飛び交うが、お客さんもびっくりしつつも席を立つことはなく出された料理を食べる。

 

最近多いこういう食堂系、食べ物系の中では異色の、全く美味しそう!とならないのが新しい。

 

私が好きなのは、マウスポインタと信号機を食べる話かな。

 

マウスポインタは、あの矢印が二つ合わさった形で、その中に実が入っている。

 

マウスポインタは蕎麦の実によく似ていて、まずは殻を外し、中の緑色の実だけ取り出して石臼で挽き、蕎麦にする。食べるとマウスをクリックするようなカチカチと音がする。らしい。

 

残った殻はそばがらの枕のように、枕を作ることができるらしい。

 

信号機はまるでサヤエンドウのように中に赤青黄色の豆?が入っている。

食すためには、やはり鞘を外さなければならない。本の中ではこれをポタージュスープにしていた。三色を混ぜたので茶色になってしまったスープはそんなに美味しそうではないが、食べるほどに、すすめ、ちゅういせよ、止まれ、と言うメッセージを食べる人に思い起こさせる。らしい。

 

この本の中のシェフならば皿の上の料理にできないものなどないみたい。

そう考えるとあらゆるものをこれが食材はだったら?と想像するのがたのしい。

 

 

 

ある町にたたずむ“OGATA”という看板を掲げたお店――通称、「もしも料理店」。
その日やってきたのは、仕事のプレッシャーに悩む男性だった。彼の話をじっくりと聞いたシェフはこう言う。
「じつはちょうど、お客様にうってつけの食材が入ってきたところなんです」
取り出したのは、なんと30センチほど大きさの“オフロード車”だった。
「こちらは、山の中を走っていたという、若い自動車です。こちらをお召し上がりいただきたいと思います」

 

 

次に読みたい本

Kindle Unlimitedだが、8歳以上という年齢制限あり。

なぜそんな微妙な年齢なのか。

真似して食べそうだからかなー

 

確かに、昆虫を食卓に乗せると食費は浮くし、最強感はあるかも。