織田作之助、名前だけは知っていた(文ストで)が初めて読んだ。
そして、本当にお恥ずかしいことに「ふうふぜんざい」と読んでいた。
途中、このタイトルの意味はなんだろうねぇ、善哉って私達が食べるあの小豆で作ったやつじゃなくて、別に意味があったらどうしよ・・・と心配になったが、最後の最後のオチ部分にでてきたので、ほっとした。(私が思った通りのぜんざいだった)
ちなみに夫婦ぜんざいは、一人2杯ずつ椀が出てくるのが特徴(つまり夫婦2人前頼むと4杯出てくるらしい)
今でも大阪難波の法泉寺横丁で営業を続けていて、店内に織田作之助の写真が飾ってあるそうな。
映画化もされていて、愛されている小説と感じた。
小説のあらすじとしては、ほんとーに丸出だめ夫な「柳吉」お坊ちゃんに惚れたお転婆娘「蝶子」ちゃんが、苦労しつつも別れもせずなんとかうまく暮らしていく話。
とにかく、この柳吉が本当に働くのに向いてなくて、そのくせ金遣いがひどくてとんでもなくダメ太郎なのである。
こんな男に惚れてしまった蝶子は、20歳で駆け落ちしてその後は苦労の連続。
でも、なんだかユーモラスな二人の生活。
小さなお店でもだそうと爪に火を灯すような切り詰めた生活を送って、やっと貯めたお金を2日で飲み尽くされたり、最初こそ身を入れて働いていてもすぐに飽きて店を潰してしまったり、とにかく苦労のし通しなのに、なぜだか柳吉のことを諦めきれない蝶子。
もうこれは意地になっちゃってるのかもしれない。
結構酷いことをされても、最後には許してしまうし、お金なんか無くても、なんだかなんとかなっちゃう二人は、中年以降も若いときと同じような根無し草生活のままだけど、二人で浄瑠璃を習いに行ったりぜんざいを食べに行ったりと
「なんだよ!結局仲良しか!!!」って感じなのだ。
森繁久彌主演で映画化もされているらしい。正直なにが起こるわけでもないストーリーなので、ド派手な洋画何かを見たことがある私達が面白がれるかは疑問だ。
大正から昭和初期にかけて、無頼派文学の代表的な作家として活躍した、織田作之助の代表作である短篇小説。
惚れた弱みか腐れ縁か、ダメ亭主柳吉に尽くす女房蝶子。気ィは悪くないが、浮気者の柳吉は転々と商売を替え、揚句、蝶子が貯めた金を娼妓につぎ込んでしまう(「夫婦善哉」)。
阿呆らしいほどの修羅場を読むうちに、いとおしさと夫婦の可笑しみが心に沁みる傑作
ちなみに、文豪ストレイドッグスでの織田作之助のルックスはこれだそうだ。
素敵なイケメンである。
次に読みたい本
24時間苦しい・・・一度は愛したはずなのにね。
であれば、夫婦善哉の二人はある意味理想形かもね。