アマサワ トキオの創元SF短編賞受賞作、「サンギータ」を読んだ。
イラストに惹かれて読んだがSFのようなファンタジー古代ロマンのような(実際には近未来が舞台だけど)壮大な話だった。
最初のうちはちょっと硬めでとっつきにくいかな?と思ったけど、無免許医師のキランが登場したあたりから、ぐっと抑えていたエンタメアクセルが踏まれて、読みやすいしイッキ読みだった。
近未来の設定とは途中まで全然気づかない。むしろ古代インドの話かと思っていたのだが、未来のインドのインターネットが未だにカースト制度にのっとって階級によって開かれている情報が違う、みたいな話は笑えない冗談だ。
主人公のシッダルタの控えめの正確も好ましいし、君臨するクマリの少女の傲慢な態度もロリコン医師のキランも皆キャラクターがいい意味でテンプレ的でわかりやすい。
なにげに私はクマリの二人の侍女(デブとのっぽ)がツボだった。
この時代は、ファッションで動物の組織を移植できるようになっており、例えば肌にクラゲの皮を移植して半透明のカラダになったり、本当に猫耳移植したり人間がキメラ化するのが大流行している。
生き神として祀られているクマリだが、その神性を完成させるためお釈迦様の特徴とされる三十二相八十種好(さんじゅうにそうはちじっしゅこう(ごう))を忠実に再現しようとする。
たとえば、手のひらに水かきのよう、とされているので実際にあひるの水かきを移植すると言った具合に。
完成した姿たいへん神々しかったそうだ。ちょっと想像が難しいが。
ネパールで永く信仰を集める、生きた女神クマリ。代替わりに集められた幼女のうちから一人だけが選ばれる。辺鄙な町に暮らす青年シッダルタは、きつい性格の新人クマリの警護に抜擢された。若者のあいだで人体改造が流行する近未来のカトマンズを舞台に、「ゲンロンSF新人賞」と「創元SF短編賞」を連続受賞した新鋭がパンキッシュに紡ぎ出す、神話的バイオSF
あらすじには、「パンキッシュに紡ぎ出す、神話的バイオSF」とあるが、
確かに神話的だし、遺伝子組換えとか免疫制御みたいなバイオとつくのもわかる。
ただ、バンキッシュってなんじゃ。
⇛バンキッシュとは、打ち負かす、征服する、打ち破るの意味
・・・
しっくりきませんな。
でも代わりの言葉も思いつかない。新鋭がイキって紡ぎ出す?違うなー
・その後、パンキッシュ、の間違いではと親切なご指摘をうける。
あーほんとだ。バで早くパでした。
パンキッシュね!パンクロックのパンクか!
そんな感じの人出てきてた。
いやー一つ読み違えただけで意味って変わりますなぁ。
パパとババじゃ性別から違うもんな。
昨日読んだ「吉田同名」もこの創元SF短編賞を受賞作で面白かった。このシリーズはいいぞ。
次に読みたい本
次はこれを読みたい。(仏教スペースオペラと書いてある)おもしろ言葉組み合わせ大会なのか?