益田ミリの「今日の人生」を読んだ
ただただむなしいとき、おいしいものにであえた日、
年齢を感じる瞬間、町で出会った人、
電車の光景、そして肉親との別れ。2コマで終わる「今日」もあれば、8ページの物語になる「今日」もある。
「今日の人生」の積み重ねが私の人生…。
この人の本はちょっと苦手だ。
いや、苦手だと思っていた。
なんでだろう。絵が可愛いし、装幀もめちゃこのみ。
ただなんというか同世代過ぎるのだ。
身につまされるというか。
くすっと笑えるようなエピソードの合間に折り混ぜられる、むき出しの作者の部分がまるで自分が言った?と思うほど分かりみが深いと言うか。
そう、この歳になると色んな自分がいるのだ。
日常の小さな幸せに気づける自分と同じ体の中に、この人嫌い、嫌いって言っていいよね?と思っている小さな自分が同居している。
益田ミリは、そのことを隠さないのだ。
かるいエッセイマンガに見せ掛けて、実は私小説みたいに読む人に考えることを強いる。
考えることが億劫になっている私は、苦手と思うのかもしれない。
ゆめゆめ、ゆるーいイラストに騙されないやように。
素敵な装幀、と言えば途中でこんな真っ黒のページが挟まれている、昨夜の夢のページ。
白に見えるがこの線は銀色だ。
そして内容は、ほんとーに落ちがない夢そのもの。夢ってこんなだよねー
それにしても、棒人間を堂々と使っいるあたり、これは記号でしかないのだな、と思う。
やっぱりこれはマンガと言うよりエッセイだ。
苦手な理由がわかって好きになった。
わたしも、毎日を積み重ねて行こう。
次に読みたい本
どうしても嫌いな人、をかなり前に読んで身につまされすぎて、苦手になったんだった。
人を嫌いになっちゃう自分も受け入れる、それが当時の私はできなかったのだなぁ。