久々、ミステリらしいミステリだったな。
とはいえ結局、最後はどちらともとれる微妙な着地。
筆者は採用面接によほど深い恨みがあるのだろうか、人事の採用担当なんて、クソだ!と言うのが動機。
若者らしい動機だし、そこまでやるかって話だ。
人が死ぬわけではないし、当事者たちもほぼ忘れかけたいような些細な話なんだけど、現在と過去が交互に語られていて、なかなかトリッキー。
事件当日のことを語る人と、時間を振り返って関係者一同にインタビューして回る人が同一人物なのか?違うのかがわからないが、徐々に対象者が絞られてくる。
特に、現代パートのインタビューが曲者でミスリードしてくるのよ。ちょっとズルいんじゃない?と言うレベルで。
面白かった…裏の裏は表的なひっくり返りしがあり、なんならサービスで裏の裏の裏は裏とばかりにもう一回ひっ繰り返してきた?という感じ。
ただ、私はもっとゲンナリするような嫌ミスを思い描いていたので、最後のひっくり返りには晴れやかな気分を味わった。
あの行動にはそんな意味があったのね、みたいな。
いやいや、就職活動は大変だ。
とはいえ、採用側も適当に選んでるばかりではない…と思う。
でもこればっかりはご縁のものなので、選ばれなかったことは才能とか能力の問題よりも、運と、会社が求めているものとマッチしてるかどうかかなーと。
ミスマッチはお互い不幸だもんね。
とはいえ、不採用は心折れるのもわかる!
最近採用面接に立ち会ってみて、人事の人やっぱりすごいわー、勉強なるわと、感動したのだよ。
適当に採用しているわけではないよ!若者たちよ。
で、この作者この漫画の原作者であった。
娘の部屋に転がっていたので話題作なのかと。
ネタを考えたらピカイチだけど引っ込み思案の少年「畦道」と、面白いことは考えられないけど舞台での表現力が素晴らしい元天才子役「太陽」の二人がお笑いに青春をかけるストーリー
なーんか、バクマンとかの設定と限りなく近いような気がするけれども、そこはさすがの画力で面白かったですわ。
漫画家と原作者も同じ関係性だろうなー
それで言うと、今回の小説はピンで勝負して売れ始めるピース又吉的な感じなのだろうか。
うーん、どっちもがんばれ!