由利先生シリーズ最後の一冊「青い外套を着た女」を読んだ。
フランスから帰朝した無名の画家は、ポケットに入っていた奇妙な紙切れに気がついた。そこには「日比谷公園の入口で青い外套を着た女に会いたまえ」と書いてある。彼は、面白半分に日比谷公園へ行った。入口近くに真青なレインコートを着た美しい女が立っている。彼は、女に話しかけた瞬間から、とんでもない事件に巻き込まれてしまった……。表題作のほか、白い恋人/クリスマスの酒場/木乃伊の花嫁/花嫁富籤/仮面舞踏会/佝僂の樹/飾窓の中の姫君/覗機械倫敦綺譚を収録
表題作「青い外套を着た女」は表紙にだけ見ると、絶対悪女だろ、って感じですがあにはからんや、さわやかな冒険譚。
タイトルの大きすぎて気づかないものがある、というのは彼が謎の通信文をもらった!
と面白半分に向かった先に、青い外套を着た女がいることにはいたのだが、それが冒険の始まり。
人は、見ているようで見ていないものだと思う。
表題作のほか、下の8編を含む短編集。
しかし、由利先生最後の一冊といいつつも由利先生出てきたかな?
あんまり活躍したようには思えないのだが・・・
ミステリだけではなく、ちょっと不思議な話?というかお話しがおおかったなぁ。
これで最後かという感慨もなく、あっさり読了。
白い恋人
・・・はて?この北海道の銘菓と同じ名前のストーリを全く覚えていないぞ。
映画女優の災難の話。ざっくり過ぎる?
クリスマスの酒場
彼女に裏切られた思い極めた男は、ハートブレイクのままパリに留学することにする。
この時代、何カ月もかかる船旅なのである。その間はほとんど連絡が取れないのだ。
そこまで思い極めた男を思いとどまらせるため、大がかりな芝居が仕掛けられるのだが、思わずほっこりとするラストシーン。
木乃伊の花嫁
むむむ、こちらもとっても金田一耕助が活躍しそうな陰惨なタイトルだなあ、と思っていたら思い出した。
確かに金田一耕助シリーズでドラマ化されていた。
原作では、由利先生が「偶然」近所に居合わせて解決するのだ。
結婚式の最中に天井から血のしずくが落ちてくるビジュアルのおどろおどろしさは素晴らしかった。
花嫁富籤
こちら、そんな偶然あるかよ!と突っ込みたくなるけれども、最後はほっこりするちょっとだけいい話であります。
花嫁富くじ、いままた阪急デパートとかでやったらいいんじゃないだろうか。
仮面舞踏会
なんというか、70年代の少女漫画の原作のような話である。
最後の髑髏がちょっぴり横溝色が出ているかなぁ。
カッコよく登場して、因果が晴れて、サクッと結婚です。
いや、ディスってない!テンポがいい。
佝僂の樹
タイトル佝僂は今時は言っちゃいけない言葉だと思うが、それにしても根性の悪い書生である。
男にも女にも(しかもどちらも使用人)横恋慕されちゃって・・・
婚約もご破算になっちゃって。美しすぎるお嬢さんも災難だなぁ。
飾窓の中の姫君
デパートで働く和子は、家でした男爵令嬢に間違われ爺やたちに「おじょうさまあああ」とまつわりつかれる。
単に間違われただけならまだしも、本当のお嬢様が現れて「替え玉」を依頼されるのだ。
こちらは、らんま1/2の高橋由美子さんあたりにコミカライズしてもらったらよさそうな、とっても、うきうきする短編である。
覗機械倫敦綺譚
横溝にしては珍しい英国を舞台にした話。
ただ、話の内容は全く持って江戸時代の草双紙のような話である。
最後は、悪を気取っていた結婚詐欺未遂男も、可憐で不幸な主人公にほだされて、二人でアメリカにでもわたり新たな一歩をふみだしましょう!
というめでたしめでたしストーリー。
この時代のアメリカには夢があったんだろうな。ディスってない。
ただ、そろそろドリームから全世界的に冷めかかってきているとは思うけど。
さて、今日はプライムデー最終日ですね。
宣伝にあおられて、あれも買おうこれも買おう、と思っていたけど一番買おうと思っていた fireTVスティックはあっという間にセール終わっていてがっかりよ。
この、サイコロみたいなやつはだいぶん安くなっているんだけど、なやむ~
そもそも、うちのテレビは4Kじゃないしなー
しかし人は「期間限定」とか「セール」とか「んン%OFF」という言葉にどうしてこんなに弱いのだろう。
私だけではないはずだ・・・・