以前本屋でもらったチラシに載っていて気になっていた「ママは何でも知っている」を読んだ。
毎週金曜の夜、刑事のデイビッドは妻を連れ、ブロンクスの実家へママを訪れる。ディナーの席でいつもママが聞きたがるのは捜査中の殺人事件の話。ママは“簡単な質問”をいくつかするだけで、何週間も警察を悩ませている事件をいともたやすく解決してしまう。用いるのは世間一般の常識、人間心理を見抜く目、豊富な人生経験のみ。安楽椅子探偵ものの最高峰と称される“ブロンクスのママ”シリーズ、傑作短篇8篇を収録。
古いアメリカコメディのような、と言ったのは奥様は魔女のような、っていう意味。
太古の昔から姑と嫁の関係はなかなかビミョーなものがあるのだ。
たかが50年前でDNAにのったこの関係はそうそう変わるものではない。
確か、奥様は魔女も意地悪なお姑さんの前でなるべく小言を言われないようにいろいろヤラかす的な話じゃなかったっけ?
「ママは何でも知っている」もママと妻「シャーリー」の間でひたすらおろおろする僕、というとても分かりやすい設定。
しかしこの3人、もとい女性陣は思ったことを我慢しないタイプらしく、厳しーいイヤミが飛び交いまくるのである。
(そしてそのイヤミの切れ味の鋭さったら、シャーリーはやっぱりママの足元にも及ばぬのだよ・・・)
ああ、旦那が「毎週金曜日にママのところに夕食を食べに行く」、
なんて言い出したらたいがいの嫁は胃が痛くってしょうがなくなるだろう。
しかし、息子が結婚して毎週ご飯を食べに嫁と来てくれたらちょっとうれしいだろうと思う。勝手なものさ。(息子まだ中1だけど)
まあ、閑話休題。
とにかく、ママは話を聞いただけで(そしていくつかも質問をするだけで)犯人を当ててしまう安楽椅子探偵なのだ。そうミスマープルのような感じ。
ただし、こちらの安楽椅子探偵はだいぶ辛口発言と大いに偏見(まあ時代を考えれは仕方がないのか)に満ちている。
短編集でサクッと読めるし、良い意味でのワンパターンが読んでいて心地いい。
ホント、ママは何でも知っているのである。というより、ママが知っている範囲のことを押しなべてすべての事件に応用しちゃうのである。
人の気持ちのスペシャリスト(メンタリスト?)なのだ。
しかしひとこと言わせてもらえるならば「こんな姑はイヤ」だ。
あっという間に読み終わって、クスッと笑えるし、気の利いたイヤミの勉強にもなるよ。
嫁姑の関係に悩んでいる人にもいない人にもおススメ!