以前、中高生新聞で紹介されてた「友だち幻想」をやっと読んだ。
中高生新聞だって読んでる四十路だぜ「友だち幻想」 - iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~
書かれたのは10年以上前だが現在でもじわじわと売れ続けているという名著。
テレビで又吉さんが紹介したのも大きかったようで書店でもまだ山積みのところが多い。
この本ね、中高生と言わずに大人もぜひ読んだほうがいい。
今まで私達は、クラスのみんなと仲良くいわゆる「みんな友だち」が最終目標だと教えられてきたし、そう思っていたし、子供にもそう伝えてきた。
だがすべての人とがんばって友だちになる必要はないんだよ、というのがこの本の最大のメッセージだ。
すべてを受け入れてくれる友だちというものは存在しない、というより存在するわけがないのだ。
他者に自分のすべてを受け入れてもらうことを前提として人間関係を築こうとすれば、全く同じ考えを持つもう一人の自分ででもない限り必ず破綻する。
信頼はするけど、全て受け入れてもらおうとしない、また受け入れようとしない。
それが、一緒にいるのに寂しくなるような人間関係に陥らないポイントだ。
この本はまた、親しくしたい友達ではなく敬遠したい友達がいてもいいと説く。
みんなで一つのゴールを目指すのではなく、それぞれのゴールを目指していることを認めあう事が大事。
なんとなく、クラスメイトならば一致団結しなければいけないって思いがちだが、よくよく考えてみれば、かつての村社会で地域生活が即、命に関わるような共同体の中の学校だったらそれでいいが、今の学校のクラスは、たまたまこの町に住む者同士、
つまり、繋がらなくても生きていけるのだ。
それなのに、雰囲気だけはかつての農村のノリを求めるから大変めんどくさいことになる。
とにかく、人間関係で悩んだことが一度でもある人は是非読んで欲しい。
若い読者を想定してわかりやすく書かれているし、何より文章にお人柄が出ていて、ほんと好ましい。
ベストセラーな理由がわかる!
こじらせてる人はもちろん、今までなんの疑問もなくやってこれた人にも読んで欲しい。全ての方にオススメ!