読んだことない作家を攻略しようと、立て続けに川上未映子さんの本を読んだ。
普段、ミステリーやホラーなどを好んで読む私は、単純で明快でわかりやすいものが好きだ。そこに学びや成長を求めてるんじゃなくて、あー面白かった、っとすとんと落ちがつくことを求める。
なんで、基本的にはハッピーエンドがお好みだ。
さて、未読の私は川上未映子さんのことを、角田光代さん的な女性目線のストーリーテラーだと思っていたが、この二冊を読んでちょっと違うなということが分かった。
(いややっぱだいぶん違う)
とにかく、よー判らんのである。私には、だけども。
そして、すっきりわかってもらうために書かれた話ではなくて、このモヤモヤした不穏なかき乱される感じがまさに読者に与えたかったもののような気がする。
とくに、マリー~のほうが、より分からなかった。
わからない、わからないを連発するのもどうかと思うが、別にけなしているわけでもなく、この判らなさ、印象画の絵画の中に入り込んだような ぼやけた感じがいいんだろうと思う。
ストーリーとしては湖のほとりへピクニックへ行って帰るだけの話なんだけど。
とても短い詩的な話。
こちらは、大金持ちの女性の話。毎日デパートに通い、買ったり買わなかったりしながら、なぜ自分は生きているのかだんだんわからなくなっている私。
はたから見たら働かなくても印税収入で遊び暮らせるなんて夢のようだが、彼女にとってはそれが幸せと全く思えていないようだ。
意味もなく老女と仲良くなり去り際にひどい言葉を投げつけて泣いたり、タクシーの運転手に奇妙にやさしくしたり・・・
心が不安定すぎて読んでる方がハラハラする。
お金があろうが、人生を楽しめないひとは幸せになれない。
貧乏でよかったわ~(負け惜しみ)
読後にkindleが無理やり私に教えてくれた情報によると川上未映子さんは、「わたくし率イン歯ー、または世界」で芥川賞候補になった人とな。
そういえば、この度肝を抜くタイトルは覚えていた。
タイトルだけでは全く内容が想像できないけど、レビューをみると「詩人の頭の中はこうなっているのか」と書かれていたので、きっと凡人の私にはわからんだろうな。
真夏の夜の夢ならぬ、高熱を出した時の夢のような話が読みたい方におススメ!