今日は我が地区の小学校の入学式。
ついこないだまで赤ちゃんだった知り合いの子がめでたくご入学。
ランドセルしょってスーツの写真を見せてもらい感動。月日の経つのは早いものですなぁ。
さて、まったく春らしくない「蔵の中・鬼火」を読んだ。
収録順に簡単にしょうかいすると、
・鬼火
幼いころから何かにつけて張り合ういとこ同士の万造と代助。
とくに万造のほうがたちが悪い。代助の女は寝とるは罪をおっかぶせるは、和解したふりをして殺そうとするわでいいとこがない。最後は三人とも底なし沼に沈んでしまう。
全体を曇ったもやがおおうような暗めの一編。
・蔵の中
肺を患って蔵の中で暮らす姉。その姉とともに幼少期を過ごした少年の屈折した喜び。
双眼鏡を除いて得た秘密を小説に書き、当のその人物(編集者磯貝氏)に読ませる。
秘密を知られたとわかった磯貝氏は、少年のところへ向かう。
少年は自分を殺す磯貝氏を予言するような小説をさらに読ませ、つよく殺人を教唆する。という頭がこんがらがること請け合い。
映画化もされているようだ。そして、あらすじを読む限りでは姉との関係が微妙に捻じ曲げられて 耽美かつタブーに触れた内容に。
・かいやぐら物語
本日読了したというのに、頭の中に何も残ってないのでカンニングしたところによると、心中失敗事例のはなし。事件というよりもその耽美で隠微な世界感を楽しむ読み物。
・貝殻館奇譚
これは、ちょっとおもしろかった。
殺人をある少年に目撃された女が、その少年の口を封じるために使った手口が斬新。
強く暗示を与えて殺すこととか本当にできるのだろうか。
また、物々しく少年を蘇生させる実験を行うのだがこれはタネも仕掛けもありますが、そのせいで結局女性は語るに落ちてしまう。
・蝋人(漢字が違いますが、なんと読むかもわからず呼び出せないww)
珊瑚と今朝治、二人の幼い愛が不幸な結末に終わる話。おじさんの嫉妬は手に負えない。
・面影双紙
ある日急に帰って来なくなった父と、その後送り付けられた骨格標本。その骨格標本のある部分が父の特徴と重なる・・・恐ろしや。
上記6編は、金田一耕助が誕生する前の横溝作品とのこと。
江戸川乱歩の影響を強く感じるな~
ミステリというよりちょっと耽美で不思議な話というところとか。
表紙は美しい少女がジト目でこちらを見ております。
怖いところは何もないのにぞっとする、派手さはないけどグッとくる一冊。