横溝正史「人形捕物帳」1・2巻をよみました。
実は人形佐七捕物帳、kindleunlimitedだったのですよ。こりゃ、会員のうちに読まなくちゃ!というわけで、さっそくダウンロード。
金田一耕助シーリーズとはちがい、そこは江戸時代。指紋もなければ生活反応などという言葉もない。でも、佐七はさくっと「こりゃあ死んだ後につけられた傷にちげぇねぇ」と看破しますが。
(金田一のころはDNA鑑定がなかったけど。今のミステリーは携帯があるからアリバイ作りが大変そう。)
そんな岡っ引きの捜査方法は「足で聞き込み」「めぐる因果」・・・そして「勘」
優れた岡っ引きである上に、人形といわれるほどイケメン、昔の言葉で言うと「水の垂れる」ほどの男前の「人形佐七」がこのシリーズの主人公。
ちなみに、これは眉唾かもと思ったけど、「水が垂れる」より最上級のいい男は「油壷からでてきたような」と形容されていた・・・まじか!
現在はアブラギッシュは悪口だけどもな。つやっつやってことかしらん。
章ごとにタイトルが入るのだがそれがいちいち面白い。
狂刃永代橋の惨劇 ―― 豆 六 は くせ者 に バッサリ 切ら れ て
こんな感じ。
ちなみに、人形佐七の脇を固めるのが「巾着の辰」と「豆六」の二人の子分。
それに、めっぽう美人だがヤキモチヤキの「おくめ」という女房がメインの楽しいキャラクター小説。
しかし、時代物はどうしても名前がkindleの中の人にとって難しいらしく、めちゃくちゃ読むので、頭に入ってこない!!!
せっかくフリガナがついていても無視して、適当に読むのはなぜなのだ?君たちはそこそこ頭が良いのではないのか?
金田一耕助シリーズと違ってあっけらかんとした明るい雰囲気の小説です。
ミステリ、謎ときの要素もしっかりありますが、なんといっても短編集、気軽に読めます。
捕物帳の中でも読みやすい方だと思います。岡本綺堂とかに比べるとさすがに語り口が現代風だし。