iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

サスペンスフル!「スペードの女王」

横溝正史著「スペードの女王」を読了

 海に遺棄された首のない若い女の死体。その内股のきわどい部分にはスペードの女王の刺青が彫られていた・・・

 

映像化したらさぞかしいい絵が撮れそうじゃないですか?サスペンスドラマに最適じゃないですか?

 

 

麻薬王とその愛人通称「スペードの女王」果たしてこれは身代わり殺人なのか?

捜査線上に浮かぶのは二人の美女。片方は死体、そしてもう片方は行方知れず。

裏で手を引いてるのは一体・・・

といった、感じで新聞のラテ欄に書いてありそう。

 

未読の方もおられますので犯人は言いませんが、やっぱりびっくりさせられました。

それにしても、金田一耕助って、コミカルな演出をされることが多いけど、原作では結構「暗い目をして」事件を解決してますね・・・

また謎を暴いてしまったという感じです。

いやー、孫にはない(金田一少年ね)繊細さだわ。いや、孫も結構暗い目してるかな?

 

今回、は金田一耕助のいつもの朝ごはんが登場します。

「パンとコーヒーと半熟卵、それにミキサーでしぼった果物のジュース」

等々力警部は「こんなものでいつもがまんしてるんですか?」なんて失礼なことを言っていましたが、なかなか自分のためにここまでつくるって結構ゆとりがありますよね。

さすが、アメリカ帰りだ。

 

さて、最初に「サスペンスドラマ」的とかきましたが、映像化されてないのかな~

と思って検索しましたが、ヒットしませんでした。

 

それよりも、私は知りませんでしたが「スペードの女王」といえばプーシキンの名高い短編小説、オペラにもなっているらしく、むしろそちらの方が有名みたいです。

 

スペードの女王・ベールキン物語 (岩波文庫)

スペードの女王・ベールキン物語 (岩波文庫)

 

 世界の名作の気配。