iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「ソラニン」ジャガイモの芽のところにある毒

本屋のポップに浅野いにおを知らない人生なんて”とあり、ずーっと気になってたので、読んでみました。

全2巻なのですが主婦根性を発揮し、

「いや、もしはずれだったらいかんばい(博多弁)」とばかりに、一巻だけを購入。

うあああ~2巻買っとけばよかった[E:crying]  ここで止めるなんてずる過ぎる!!

翌日また本屋に走る羽目になったのでした。もしこれから買う財力があるなら(といってもあわせて1,060円だがな)2冊まとめて買った方がよいと思われます。

さて、内容は大学を卒業した二人の男女、種田君と芽衣子ちゃんのストーリー

芽衣子ちゃんは特にやりたくもない会社の事務をしながら

「もっとなにか私にしかできることがあるんじゃないのか」

と考えているし、種田君はロックがやりたいけど、全力を注ぎ込むのは怖いような、それでも普通に就職とかはできなくて、アルバイトをしている。

二人ともモラトリアムを決め込んでいるけれど、いつまでもこのままではいられないと焦っている。

一巻で種田君は決心をして、ロックでデビューをするために全力を注ぎ始めるし、芽衣子ちゃんも会社を辞める。そして、2巻目にいくところで種田君は交通事故で死んじゃううぅぅぅ(生死不明で一巻終了。ここでは止められないでしょ[E:bearing])

死んじゃうなんてずるい

2巻は芽衣子ちゃんと、バンド仲間の再生と言うか一歩を踏み出すためのストーリになっています。

いやー、娘の友達が遊びに来ているにもかかわらず、わたくし漫画読んで号泣。

(どんだけ「お構いもしません」の?)

とはいえ私よりずっと若い人たち向けだろうと思う。

自分にしかできないことが、きっとあると信じていて、それを探さない大人たちを少しだけ軽蔑していて、それでも自分もその中に入ることを恐れつつ予感していた、十代の後半から二十代前半。そんな人たちの気持ちにドンぴしゃりなお話。

種田君の友達や、お父さんなんかもいい味出してるし、重いばっかりではなくてそこそこ、くすっと笑えるシーンなんかもあり良かったです。

逆にあの時代から十年以上たっている主婦としては、”うらやましさ”と”「甘い」と言いたい気持ち”と、それから”そんなに変わってないんじゃないかしら”という気持ちと、ない交ぜになって、ストレートにどんぴしゃではないかな。泣いたけど。

ホント、死んじゃうなんてずるいよ、種田君・・・

ソラニン 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)

著者:浅野 いにお

ソラニン 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)

でもちょこっとだけ「稲中卓球部」を思い出したなぁ。