森茉莉(もり・まり)さんは、かの文豪 森鴎外の娘だそうです。今まで全然知りませんでした[E:coldsweats01]
というか、森鴎外 も読んだことないかも[E:bearing]
森茉莉さんも 鴎外の娘って知ってたら難しそうで、手を出さなかったかも[E:bearing]
ある雑誌の読者欄でもの「すごーく森茉莉さんラブ[E:heart02]」のコメントが続いて(大概は妙齢から高齢の女性)
森茉莉の読んだことのないエッセイを見つけるたびに天にも昇る心持ちがする。
などとあったので「贅沢貧乏」というエッセイを読んでみました。
内容は マリア(作者自身?)が、自分の好きなものだけを身の回りに置き、自分のやりたいように生きる「贅沢」を追求するお話。
けれども実際は、元お嬢様のマリアは著作権切れで鴎外の印税の収入がなくなり、安いアパートに暮らしているのです。
だから、徹底的に好みの色や質感のものを探し出してきたインテリアと言っても、他人から見たら価値のないガラス瓶だったり、二束三文の壊れかけたランプシェードだったりする。ちなみに、その趣味は今で言う「ゴスロリ」風なんだと思う。とにかく「自分は精神の貴族」なのだそうです。
漢字が多くて改行の少ない独特の文体だし、とにかく部屋の描写、特に色へのこだわりがすごくて取っつきにくいんだけど、慣れるとにやりにやりの連続でした。
縦のものを横にもしないお嬢様マリアは、24時間電気をつけっぱなし。
なぜならぶっちゃけると「消すのが面倒」だから[E:happy02]
例え電気を使わない時に消したとて、そのお金で大好きなチョコレートの一枚買えるほどの金額ではない。から消すのが面倒らしい。
すごいでしょ!!この人![E:happy02]
そのくせ、ちゃんと自分が生きていけるか心配になって、原稿を何枚書けばいいか計算したりしているの。
とにかく、自分の身の回りを快適に、好きなものだけを食べて、なるべく何もしないでいたいこの人は、万年乙女で夢の国の住人のように見えながら、
そう言う自分が「浮いていて」「ちょっと頭のおかしいおばあさん」と思われている節があることにもちゃーんと気づいており、それを笑い飛ばすユーモアもあるのです。
ちなみに本当の森茉莉さんは 1987年85歳の時に自宅にて孤独死、二日後に発見されたとのこと。思わずウィキペディアで調べてしまう、この超個性[E:smile]
あ、星新一さんと遠縁なんだ~。へ~2度も結婚をしているのねぇ~子どももいるの?ええ!この生活能力のなさで[E:coldsweats02]
等と、思わず引き込まれてしまいました。
群ようこさんが「贅沢貧乏のマリア」という本を出されているようですね。読んでみなくては!
他にも ファンによるサイト 森茉莉浪漫館 http://www.morimari.net/ 等があるようです。
ふむふむ。小説は耽美やおい小説のはしりで
だから彼女の少年愛小説は、みんな似ている。
「恋人たちの森」も「枯葉の寝床」も「日曜日には僕は行かない」も、みな大学教授のエリート美青年と、美少年の物語だ。
ため息を吐くしかない、耽美で華麗でエロティックな関係が、森茉莉の美意識によって構築されている。
それはもう、「様式美」としか言いようがない、「森茉莉の世界」なのだ。
(森茉莉浪漫館様より引用)
なのだそうです。
森茉莉さんは、本当に目が離せないというか、軽い麻薬みたいな魅力があるのかなぁ。
贅沢貧乏 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) 著者:森 茉莉 | |
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贅沢貧乏のマリア (角川文庫) 著者:群 ようこ | |
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