iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「あるきかたがただしくない」の?

初めて「生きている男性歌人では世界一売れている」枡野浩一さんのエッセイを読んだ。
ちなみに、歌集は読んだことない。

この本は、自身の元妻、漫画家南Q太さんとの間の息子当時四歳に「会いたい」とひたすらいい続けて1年間のエッセイが収められている。

それはもー、すごい。どんだけすごいかは、いや、一読してほしい。

といっても、湿っぽい話ばかりではなく、映画評なども挟まれているし、全体的には「面白いエッセイ」なんですが、さすがに読後は離婚について考えてしまった。

結婚の100倍エネルギーがいりそうな離婚。実際、自分の友人でもちらほらそういう話を聞く年齢になってきたし。

「簡単に子供がかわいそう」と片付けるには私もトウが立ちすぎた。

けれども、夫(妻)とは血がつながってないから、他人には戻れるけれど子供とは他人にはれないよなーと思う。

子はかすがいとは、よく言ったものだわ。一方、親がなくても子は育つとも言うわね。

・・・てな感じで、考えさせられたのです。誰が正しいとか正しくないとかではなくね。

ちなみのタイトルは靴底の磨り減り方がおかしい筆者が、リペアのおばさんに
「あるきかたがただしくないからですかね?」
と聞いたところから取られているようです。

あるきかたがただしくない
枡野 浩一著
朝日新聞社 (2005.12)
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