表紙のかわいいナイチンゲールは漫画家吉野朔実さんの手によるもの。
吉野さんと言えば「少年は荒野を・・」とかで有名な方ですが、私の中では「本読み」というイメージが強い。というよりも
「お父さんは時代小説(チャンバラ)がお好き」
「お母さんは赤毛のアンがお好き」
「弟の家には本棚がない」(すべて本の雑誌社)
等の書評マンガ?しか読んだことなくて。上記三点もお勧め!
さて、しをん嬢の「夢のような幸福」の一つはその吉野朔実さんに表紙を描いてもらえたことらしい。うむうむ納得。というか、本文中には彼女がそこまで幸せとは思え・・・いやいや、皆まで言うまい。
このエッセイも彼女の愛と妄想にまみれた日常をつづったもの。いやーおもしろかったですよ。たとえば「我が愛のバイブル」では
『愛と誠』を心の課題図書に選定していたのだが、ちょっと考え直した方がいいのかもしれない。中略 私はいま、大きな疑念が押し寄せ、「愛」という名の広大な荒れ野をさまよう子羊のような気持ちである。
「エスパーに遭遇するより低い確率」では弟との会話
「すごかったね。エスパーみたいに以心伝心だったよ!」
「エスパーとか言うな!」即座にだめ出しされる。「それがオタクっぽいと言うんだ!」
「エスパーは普通に使う言葉でしょ。波動砲のごとき威力に満ちたパスだ!のほうがよかった?」
ってな具合であります。しかし、相手にしてくれるだけうちの弟よりはましかも。黙殺よりはいいよなぁ。