「センセイの鞄」が意外とツボにはまったため、作者の本に再挑戦。
はて、内容は恋愛小説ではなく官能小説の部類か?あまり過激な描写はないけれど、前回読了がアガサクリスティのアクロイド殺人事件だった私の身には、いきなり刺激が強すぎたわ。
この人の書く恋愛の対象はみなカタカナで呼ばれている。先生も「センセイ」だったように、ここでも「ナカザワさん」とか「ユキヲ」と、乾いた、もしくは質量をもたない感じの人物と、少し境界に足を踏み入れた女性が情愛を交わす。
今回は、センセイの鞄のように恋ではなく、情というかんじかな。淡々と駆け落ちとか情死をやってしまいそうなそんな男女の短編集。
「あわあわと」、とか「ゆらゆら」、とか相変わらずの表現力で思わず真似して見たくなります。でも読了後は「あわあわ」しか頭に残ってなかった!残念!