iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

ブランコのむこうがわ 星新一

ブランコのむこうで
星 新一著
新潮社 (2003.6)
ISBN : 4101098158
価格 : ¥420
通常2-3 日以内に発送します。

ずいぶん久しぶりに、星さんの文庫を手に取った。
思えばショートショートを高校時代ひたすら読んでたよなー内容は、そっくりな男の子をみつけ追いかけていくと、夢の国に入り込んでしまうファンタジ ー。児童書なのかな?
書かれた昭和40年には、こんなしゃべり方をする育ちのよさそうな子供がいたのかしら。とにかく一事が万事

「それでぼく困っちゃったんだ。だってそんなこと今まで考えても見なかったものね。」みたいな感じ。

夜寝ているときに見るあの「夢の国」が一人にひとつあって、「僕」はいろんな人の夢の国を渡り歩くことになる。

夢を見ているその人はどんな人なのか?
病気で寝たきりの子が見る夢、
子供を亡くした母親の見る夢、
世間に見捨てられそうなしょぼくれおじさんの見る夢、
生まれたばかりの赤ん坊の見る夢、
はたして、私の見ている夢の国はどんなものなのだろう。

最初はあまりの行儀のよい小学生っぷりにちょっと違和感を感じていたけど、読み進むにつれ、相変わらずの星さんの発想の斬新さにしびれて来た。ああ、もうこの人いないんだ・・・と改めて残念がった次第。