iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

2026-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「元彼の遺言状」命をかけたポトラッチ

新川帆立の「元彼の遺言状」を読んだ。 強気なエリート弁弁護士「剣持麗子」は、ひょんな事から(というか、査定面談で自分のボーナス額が不満で)事務所を飛び出し、暇を持て余してた。 そのタイミングで学生時代に少しだけ付き合ったことがある元彼の死と…

「波うららかに、めおと日和」とてもういういしい。

西香はちの「波うららかに、めおと日和(1)」を読んだ。 おすすめにずーっと上がってくるので、読む。 (今なら3巻まで無料で読める) 昭和11年、海軍の軍人と結婚をしたなつ美の初々しい結婚生活を描いた漫画。 当時は、親が結婚相手を決めるもあたりまえ…

『生殖記』そもそも私たちは役にたたなきゃいけないのか?

朝井リョウの「生殖記」を読んだ。 いまだかつてない語り部による衝撃作。 生殖器、つまりクレヨンしんちゃんが喜んでフリフリしているアレが、最初から最後までずっとハイテンションで語る。 もうこの時点でだいぶどうかしているが、軽妙な語り口で思いのほ…

『恋愛中毒』愛別離苦を学ぶ破滅のテキスト

山本文緒の「恋愛中毒」を読んだ。 人を愛するという行為が、ここまで恐ろしく見える小説もなかなかない。 主人公の水無月のどうしようもなさに、最初は呆れ、次に同情し、やがて畏れのような感情が湧いてくる。 「恋愛中毒」というタイトルは、まさに言い得…

『コンビニ兄弟』コンビニのコーヒーが美味しそう!

町田その子の「コンビニ兄弟」を読んだ。 NHKでドラマ化されるらしい。 www.nhk.jp 女性客を虜にするフェロモンでまくりのイケメン店長がいるコンビニ「テンダネス門司港こがね村店」 あまりに過剰なフェロモンは、若い男の子の頬を染めさせ、老女達に婦人会…

『熟柿』一度越えた線の向こう側で生きる

佐藤正午の「熟柿」を読んだ。 読み応えがあった。さすが本屋大賞ノミネート作品である。ずっしり重いのに、最後まで読ませる力がすごい。 一度越えてしまった線は、たとえ本人が「ほんの一瞬の判断ミスだった」と思っていても、もう簡単にはこちら側へ戻し…

『雨利終活写真館』最後の言葉は取り消せない

芦沢央の「雨利終活写真館」を読んだ。 人はいつか死ぬ。そんなことは分かっている。分かっているのに、まさか今日が最後の日だとは思わずに、つまらないことで怒ったり、雑な言葉を投げたりしてしまう。 もし「これが最後に交わす言葉です」と事前に教えて…

「ゴゴゴゴゴースト」ゴがいっぱい。

蛭塚 都 の「ゴゴゴゴゴースト」を読んだ。 初読みの作家さん。 何気にスペックが高い、珍しい名前の主人公「ウシロ」ちゃんとおねえのゴースト「マサコ」が二人でこの恨みはらさん!といろいろ画策する楽しい漫画。 ブラック職場でギリギリの生活を送るウシ…

『リケジョ!』リケジョって悪口だったっけ?

伊与原 新 の「リケジョ! 」を読んだ。 理科の知識で物語が動くと、世界がちょっとだけ賢く見える。 「リケジョ! 」は、科学的な知見がふんだんに散りばめられた、いわゆる理系乙女ミステリーである。 主人公の律は大学院生。大学では理論物理学、だったかな…

「妻に失恋した男」と「妻のこと」

江戸川乱歩の「妻に失恋した男」を読んだ。 江戸川乱歩の書いた小説の中に「夫婦(それも歪んだ)」の関係を書いたものは多いけど、以外なことにズバリ「妻」という言葉がタイトルに入っているものは少ない。 (エッセイに「妻のこと」というものがある。こ…