2026-05-01から1ヶ月間の記事一覧
阿佐ヶ谷姉妹の「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」を読んだ。 人と人が一緒に暮らすというのは、実はけっこうな荒行である。 数年前にかなり話題になっていたこのエッセイ。大学生の娘の本棚にあったので、「ほほー」と思って読んでみた。といっても、…
織守 きょうやの「ライアーハウスの殺人」を読んだ。 ミステリ好きが「こんなの絶対、事件が起きるやつじゃん」と笑っていたら、本当に事件が起きてしまう。そんな、ある意味で最高に贅沢な悪夢のような一冊だった。 いやー、なんというか、フルコースという…
近藤ようこの「兄帰る」を読んだ。 タイトルに反して、兄は帰って来ないのだ。なんてこったい! 結婚式の直前に花嫁の前から失踪した功一が、3年後物言わぬ人として帰ってきた。 捨てられた理由が判らず、怒りをぶつける先がないまま3年間も引きずっていたフ…
「村山 由佳」の「PRIZE―プライズ―」を読んだ。 出版業界、想像していたよりずっと修羅の国であった。 2026年本屋大賞3位の本作。帯には「この本出版していいんですか!?」という書店員さんのコメントが載っていたのだが、読んで納得。これは確かに言…
近藤ようこの「雪夜の告白」を読んだ。 先日、旅先の古本屋で見つけて連れてきたうちの一冊である。 美しい母を持つ娘は、それだけで呪われることがある。 「雪夜の告白」は、美醜についての物語であり、母と娘、娘と父の関係についての物語でもある。 近藤…
C.S.ルイスの「ライオンと魔女」を読んだ。 なんで小学校の時読んでなかったのか?っていうくらいの名作でした。 訳者はあの瀬田貞二。あら、絵本の人だとばかりおもっていたら指輪物語の翻訳もこの人なのか。 なんか久しぶりに格式高い日本語に触れた気分…
村上龍の「イン・ザ・ミソスープ」を読んだ。 こわーい。 いや、まずそれである。読み終わって最初に出てきた感想が、語彙力を投げ捨てた「こわーい」だった。 「イン・ザ・ミソスープ」って、いつ書かれた話だっけ?と思って調べたら、バブルが弾けた少しあ…
小田扉の「ブリトビラロマンSF 江豆町」を読んだ。 ブリトビラロマンSFってなに?と思って検索したけど、結局小田扉のこの本しかでてこなかった・・・・ ロマンSFならわかるけど、ロマン要素はあまりない。 謎多い街、江豆町。江戸にかけているっぽいの…
舞城王太郎の「短篇七芒星」を読んだ。 タイトル通り 奏雨/狙撃/落下/雷撃/代替/春嵐/縁起 の7つの短編からなる本である。 この方の本、ちょっとついていけないほどぶっ飛んでいる時があって、好きとか嫌いの前に「ついていけないなぁ」と思うことが多かった…
「逢坂冬馬」の「ブレイクショットの軌跡」を読んだ。 一つのネジから、こんなに遠くまで物語が広がるとは思わなかった。 2025年直木賞候補作として評判の良かった「ブレイクショットの軌跡」。 今回も、タイトルだけ見た私の適当な推理は見事に外れた。 何…
近藤ようこの「妖霊星」を読んだ。 説経「しんとく丸」+「愛護の若」を一つの物語にしたものらしい。 だが残念ながらどっちも知らないので、楽しみも半減だ。(教養大事) ある意味まっさらな気持ちで楽しめたとも言う(ポジティブ) しんとく丸に身毒丸と…
坂口 安吾 (著), 近藤 ようこ (著) の「戦争と一人の女」を読んだ。 無頼派として知られる坂口安吾のこの小説は、実は江口のりこ主演で映画化もされているらしい。 戦争という大きな災難の中で、刹那的に生きようとする女の美しい顔とどこまでもへなちょこな…
昼田祥子の「1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話」を読んだ。 タイトルだけ見ると、ファッションエディター歴22年の著者が教える「おしゃれな人のクローゼット整理術」みたいな本を想像する。似合う服の選び方とか、残すべきベーシッ…
久坂部 羊 の「廃用身 」を読んだ。 先日、染谷将太主演で映画が公開されたということで気になっていた「廃用身」。 初版は2003年とのことで、今から20年以上前に書かれた作品である。なのに、まったく古びていない。むしろ、少子高齢化だの介護負担だの医療…
垣谷美雨 の「夫のカノジョ」を読んだ。 夫が不倫をしている!と思いこんだ妻は、相手の女を呼び出して「話をつけよう」とする。 ところが、言い争いになりかけたところへ、真っ赤なドレスを着た老女がふらりと現れる。そして「お互いの身になって考えねばな…
本日は若者垂涎サブカルの街、下北沢に行きまして(お登り)古本屋がたくさんあるって知らなくて、しかも地方ではもはや絶滅した個人経営の古本屋ばかりで、大変テンションがあがった。 いくつか回った本屋さんの中で最後の、古書ビビビで、近藤ようこの大群を…
先日104歳でお亡くなりになった、佐藤愛子の「九十歳何がめでたい」を読んだ。 スッゲー切れ味の鋭いおばあちゃんのエッセイ。 こんなにすっぱり思うことを言い切れたら、さぞや気持ちが良いだろう。 訃報を聞いて、名前は知ってるけど読んだことなかった…
小川洋子の「猫を抱いて象と泳ぐ」を読んだ。 リトル・アリョーヒンと呼ばれた、チェス棋士の数奇な人生を静謐で美しく文章で綴った物語。 母親のお腹から出てきた時、彼の口はなぜか薄皮一枚で繋がっていた。 医師によりその口は切り開かれ、唇は足の皮膚を…
三宅香帆の「「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか」を読んだ。 「話が面白い人」というのは、生まれつき話術がうまい人のことではなく、たぶん世界との接続端子が多い人のことなのだ。 三宅香帆、読む本読む本、若いのに素晴らしいな、いや若いからこ…
村田沙耶香の「消滅世界」を読んだ。生命の本能のタブーから目をそらさない不穏な衝撃作。 主人公「雨音(あまね)」からみた、あり得たかも知れないもう一つの日本の物語。 もし、人工授精が発達して行くとどうなるか? 人間たちは、子どもを作ることはすべ…
柚木 麻子 の「ランチのアッコちゃん」を読んだ。 落ち込んでいる時に必要なのは、なぐさめよりも、うまい昼ごはんなのかもしれない。 「ランチのアッコちゃん」に登場するアッコさんは、背が高くて前髪ぱっつん。どう見ても某大物歌手を思わせるビジュアル…
新川帆立の「元彼の遺言状」を読んだ。 強気なエリート弁弁護士「剣持麗子」は、ひょんな事から(というか、査定面談で自分のボーナス額が不満で)事務所を飛び出し、暇を持て余してた。 そのタイミングで学生時代に少しだけ付き合ったことがある元彼の死と…
西香はちの「波うららかに、めおと日和(1)」を読んだ。 おすすめにずーっと上がってくるので、読む。 (今なら3巻まで無料で読める) 昭和11年、海軍の軍人と結婚をしたなつ美の初々しい結婚生活を描いた漫画。 当時は、親が結婚相手を決めるもあたりまえ…
朝井リョウの「生殖記」を読んだ。 いまだかつてない語り部による衝撃作。 生殖器、つまりクレヨンしんちゃんが喜んでフリフリしているアレが、最初から最後までずっとハイテンションで語る。 もうこの時点でだいぶどうかしているが、軽妙な語り口で思いのほ…
山本文緒の「恋愛中毒」を読んだ。 人を愛するという行為が、ここまで恐ろしく見える小説もなかなかない。 主人公の水無月のどうしようもなさに、最初は呆れ、次に同情し、やがて畏れのような感情が湧いてくる。 「恋愛中毒」というタイトルは、まさに言い得…
町田その子の「コンビニ兄弟」を読んだ。 NHKでドラマ化されるらしい。 www.nhk.jp 女性客を虜にするフェロモンでまくりのイケメン店長がいるコンビニ「テンダネス門司港こがね村店」 あまりに過剰なフェロモンは、若い男の子の頬を染めさせ、老女達に婦人会…
佐藤正午の「熟柿」を読んだ。 読み応えがあった。さすが本屋大賞ノミネート作品である。ずっしり重いのに、最後まで読ませる力がすごい。 一度越えてしまった線は、たとえ本人が「ほんの一瞬の判断ミスだった」と思っていても、もう簡単にはこちら側へ戻し…
芦沢央の「雨利終活写真館」を読んだ。 人はいつか死ぬ。そんなことは分かっている。分かっているのに、まさか今日が最後の日だとは思わずに、つまらないことで怒ったり、雑な言葉を投げたりしてしまう。 もし「これが最後に交わす言葉です」と事前に教えて…
蛭塚 都 の「ゴゴゴゴゴースト」を読んだ。 初読みの作家さん。 何気にスペックが高い、珍しい名前の主人公「ウシロ」ちゃんとおねえのゴースト「マサコ」が二人でこの恨みはらさん!といろいろ画策する楽しい漫画。 ブラック職場でギリギリの生活を送るウシ…
伊与原 新 の「リケジョ! 」を読んだ。 理科の知識で物語が動くと、世界がちょっとだけ賢く見える。 「リケジョ! 」は、科学的な知見がふんだんに散りばめられた、いわゆる理系乙女ミステリーである。 主人公の律は大学院生。大学では理論物理学、だったかな…