iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

2026-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「魔法律学校の麗人執事2 ブラッディ・バトル」

新川帆立 の「魔法律学校の麗人執事2 ブラッディ・バトル」を読んだ。 相変わらず乙女ゲームをから抜け出してきたようなテンプレ感と、ちょっとハリー・ポッター感を味あわせてくれる。 一生懸命でスレたところが全くない主人公「椿」に悪役令嬢ポジション…

「金の角もつ子どもたち」全力を出すことは美しい

藤岡陽子の「金の角持つ子どもたち 」を読んだ。 中学受験にチャレンジする子どもたちと、周囲の大人たちのドラマ。 サッカーで日本代表になる、なんて子供らしい夢を持っていた俊介だが、チーム内での選抜から外れてしまった。 そんな彼の出した答えは「サ…

『宝島』うちなーぐちの軽さと歴史の重さ

真藤順丈 の「宝島」を読んだ。 第160回直木賞で、去年妻夫木聡主演で映画化もされていた。 神の視点の「語り部」が軽妙なうちなーぐち(沖縄方言、琉球語)で、語尾を伸ばす独特なイントネーションになんかゆったりした気持ちになる。 「あきさみよー」 嗚…

「桜越しに空を撮る」繊細すぎる探偵

歳内 沙都の「桜越しに空を撮る」を読んだ。 中学生の女の子二人の、繊細でとても現代らしいミステリー 友達同士で使う写真共有のスマホのアプリが謎を解く一つの鍵になるのだけど、たぶん一時期娘たちが言っていたBeReal (ビーリアル)と言うやつじゃないか…

「朝からブルマンの男 」知らないうちに片棒を担ぐことに?

水見 はがね の「朝からブルマンの男 」を読んだ。 喫茶まほろばで供される一杯2000円の珈琲、ブルーマウンテン。 そんな特別な一杯を貧乏くさい(失礼)若い男が毎週注文し、しかも極めてまずそうに飲んでいくのはなぜ? いわゆる日常の謎系のミステリだ。 …

『11文字の檻』制約だらけの檻で解く11文字

青崎 有吾 の「11文字の檻 青崎有吾短編集成 」を読んだ。 短編集の一編目から、いきなりこちらの記憶の引き出しを開けられるとは思わなかった。 本当に偶然だが、今から21年前のJR福知山線脱線事故を題材にした「加速してゆく」から始まる、青崎 有吾の短…

『ひとんち』もじぶんちも近所のスーパーもみんな怖い。

澤村伊智の「ひとんち」を読んだ。 「ぼぎわん」の澤村伊智が書いたホラー短編集。 「ひとんち」からは始まり「じぶんち」で終わるという、なかなか乙な取り合わせ。 「ひとんち」こわかったなーどこから見ても裕福で素敵な奥様とおもっていた香織の家にいっ…

映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形

稲田 豊史 の「映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形 」を読んだ。 この人の最新作「本を読めなくなった人たち」が今話題だ(ということを岡田斗司夫の動画で知った) どうやら、数年前に書かれて話題になったこの本の…

『M資金 欲望の地下資産』実在しないはずの金に人はなぜ狂うのか

藤原 良の「M資金 欲望の地下資産」を読んだ。 まるでモキュメンタリーホラーのような表紙である。タイトルも「M資金 欲望の地下資産」なんて、もうそのワードだけで一本小説が書けそうなケレン味がある。 ところが、これがフィクションではなくノンフィク…

「名探偵のままでいて」名探偵の最終形態

小西マサテル の「名探偵のままでいて」を読んだ。 タイトルがなぜ「名探偵のままでいて」なのか、本を開くとすぐにわかる。 なんと、名探偵は認知症なのだ。世の中には数多の名探偵が溢れているが、流石ん認知症の名探偵は初なのではないかしら? 元小学校…

『三千円の使いかた』三世代の女たちが抱えるお金のリアル

原田ひ香の「三千円の使いかた 」を読んだ。 「人は三千円の使い方で、人生が決まる」――そんな、いかにも気になる一文から始まるこの小説、読んでみると想像以上にちゃんと面白い。 しかも面白いだけではなく、しれっと節約やお金の知識まで頭に入ってくる。…

「少女には向かない完全犯罪」幽霊とバディ

方丈貴恵 の「少女には向かない完全犯罪」を読んだ。 多重夢といういうものをご存知だろうか。目が覚めて起き上がる夢を見るのだ。そしてふとした瞬間、あこれは夢だと気づき目を覚ます。 「あれあれ、目が覚める夢をみたよ」なんて思って面白がっていたら、…

本屋パトロール2026春

久しぶりに、博多の本屋、 HMV&BOOKS HAKATAに行った。 どんどん本の面積が狭くなって悲しいが、自分だってAmazonでKindleばかり買っているので仕方ないか… まずは、最近流行りのモキュメンタリーホラーを中心にしたこの棚。 いやー都市伝説解体センター気に…

「この世の春」これは心の病か、それとも本物の怪異か

宮部みゆきの「この世の春」を読んだ。 宮部みゆきの作家生活30周年記念作とのことで上中下からなる大作だった。 ただ、長くってもツルツルっと読み進められるところはやっぱりすごい! 読んでいる間中、なぜこの本のタイトルが「この世の春」なのか考え続け…

「本なら売るほど3巻」

小島青の「本なら売るほど3巻」 を読んだ。相変わらずよかった! 本日発売 相変わらず見惚れるほどハンサムなのに、残念なTシャツばかり着てるんだもの。 ひらめとか、鼻とか。 出てくる人達みんなが感じが良くて優しい世界。 読みたい本が積み上がるわー 本…

妖怪でもかわいい「ねこようかい」

ぱんだにあの「ねこようかい」を読んだ。 ねこのマンガばっかり書いているぱんだにあ(作者名)。パンダはでてこないのね、と思いつつ、「ねこむかしばなし」がおもしろかったので読んでみた。 妖怪は怖いけど、猫はかわいいよね、ということで組み合わせた…

「秒で伝わる文章術」タイトルは15.5文字まで

宮崎直人 の「秒で伝わる文章術」を読んだ。 人間は大量の文字を見るとそれだけで読む気をなくすのです。(わかる!) 文章はデジタルに移動したことで「紙面の制約」がなくなりどんどんんどん長くなったらしい。 嫌がらせかと言うほど注書きをこてこてに詰…

『イン・ザ・メガチャーチ』ファンダム経済の怖さを覗く

朝井リョウの「イン・ザ・メガチャーチ」を読んだ。 推しという巨大なマーケット(ファンダム経済と言うらしい)に絡め取られる3人の視点から語られる、今の空気感を存分に味わえる物語。 とあるアイドルグループを売り出すために物語を使ったマーケティング…

「飼い犬に腹を噛まれる」プリンセスの愛らしい日常

彬子女王の「飼い犬に腹を噛まれる」を読んだ。 本物の女王が書いたエッセイということでちょっと私には品位が高すぎるんじゃないかと身構えたけど(表紙が猫村さんのほりよしこだったので実はそんなに堅苦しいとは思ってなかったけどね)思った以上におもし…

「この町は変だと言ったら、追放されそうになったけれど自治会費を納めたら助かった件」

デルタケイの「この町は変だと言ったら、追放されそうになったけれど自治会費を納めたら助かった件」を読んだ。 なぜかおすすめに上がってきたオーディオドラマ。 さては私が自治会に所属していて、総会前の大荒れのさなかだということをスマホが聴いていた…

『カフェーの帰り道』100年前の私たちがつないだバトン

嶋津 輝の「カフェーの帰り道」を読んだ。 読後、しみじみと幸せな気持ちになる本がある。「カフェーの帰り道」はまさにそういう一冊だった。 派手な事件はない。100年前の東京・上野の一軒のカフェーを舞台に、そこで働いた女給たちの人生を静かに、けれど…

「デスチェアの殺人 」英国式皮肉と伏線回収がたまらない

M・W・クレイヴン の「デスチェアの殺人 上 ・下」を読んだ。 私は、もう最近このワシントンポーシリーズにすっかり夢中で、マッチョでワンマンででもナイーブすぎるところもある彼の活躍を追いかけている。 (最初はちょっとマッチョすぎてうへぇ、と思って…

『現代生活独習ノート』リフレッシュする気力すらない人へ

津村 記久子 の「現代生活独習ノート」を読んだ。 津村記久子には独特の彼女だけが出せるワールドというものがあると思う。 「現代生活独習ノート」は、そんな“極めてやる気のない人々”が八人も出てくる短編集なのだが、どの話もほんのり不思議で、読んでい…

「殺し屋の営業術」大変であればあるほど燃えるタイプ

野宮 有の「殺し屋の営業術」を読んだ。 疾走感のあるクライムミステリー 仕事熱心すぎる営業マン鳥井が、殺し屋と鉢合わせ。命を取られるくらいならばと、殺し屋の営業として立候補する。 天才なので、どこの会社でもトップセールスの彼は、仕事以外に何も…

「都市伝説先輩」怖いと言うより微笑ましい

平岡一輝の「都市伝説先輩」を読んだ。 本当のホラーとちょっと見分けがつかない絵柄。読んでみたら普通にコメディで定番の口裂け女とか、ディスマン、ターボ婆などが出てくる。 とにかく怪異を引き寄せ体質のくぐつ先輩と、オカルト大好きの女の子、もくめ…

「彼の左手は蛇」

中村文則の「彼の左手は蛇」を読んだ。 ある男の手記なのだが、かなり危なっかしい感じ。 言ってることはわかるけど全く同感できない。蛇進行の歴史などについて詳しく語れるが、彼が本当にいたいことは結局何だったのか。読み終わっても良く判らん。 途中途…

『父の回数』普通じゃない家族の形を知り普通とは何かを考えた

王谷 晶 の「父の回数」を読んだ。 王谷晶といえば、私はまず「ババヤガの夜」を思い出す。あの作品の、あの独特の熱量と剥き出しの感じが印象に残っていたので、「父の回数」も身構えて読み始めたのだが、こちらはもう少し軽やかで、でも刺さるところはしっ…

『童の神』鬼退治の裏側にあったもう一つの真実

今村翔吾 の「童の神」を読んだ。 歴史というものは、勝った側がきれいに整えて後世へ渡していくのだな、としみじみ思わされる作品である。 「童の神」は、こちらが知っている伝承や歴史の輪郭をなぞりながら、その裏側にもうひとつの真実を立ち上げていく。…